ホラー映画

2018年1月14日 (日)

本日の映画 『屍憶』

 『屍憶』
 2015年 日本/台湾 監督リンゴ・シエ

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 アジアン・ホラーの醍醐味は、ウエット感にある。
 多湿という気候はあまり関係なく、宗教観が主たる要因だと思う。
 だからホラーもアメリカの怪物系が多いのに対し、日本は心霊・幽霊系が圧倒的な数を誇る。
 興味深いのは、日本にも怪物文化はしっかり存在していて、それが妖怪といえよう。
 ただ妖怪ホラー作品は、とてもメジャーとはいえないジャンルだ。
 妖怪の、どことなくユーモラスな外見は、ホラー作品としてのビジュアル化に適していないのかもしれない。

 例えば、河童。
 頭に皿。
 落武者的ヘアーカット。
 好物きゅうり。
 やべぇ設定であること、この上ない。
 これにホラーを感じるだろうか?
 しかし、その特性をきちんとビルドしてみよう。
 人の肛門に手を突っ込み、内臓を引っ張り出す。
 その場面を想像すれば、これは明らかにスプラッターだ。
 念仏の鉄よりずっと凄まじい殺害方法である。

 …と、千恵子は今日もいふ。

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 さて、本作。
 

 主人公ハオは、餃子ではなくテレビプロデューサー。
 結婚目前の恋人イーハンと暮らしている。
 仕事は順調で、結婚式の準備と共に多忙気味な日々を過ごしている。
 
 異変は、『冥婚』をテーマにした番組を制作した時から始まった。
 霊能者に助言を求めると、異変の原因は前世から続いているという。
 ハオは、友人と共に過去の出来事を調べる。

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 一方、女子高生インイン(水泳部)の周囲でも、尋常でないことが起きていた。
 周囲で起こる心霊現象に、当惑する彼女。
 やがてインインは、祖母も霊視能力を持っていたことを知る。

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 二人の周囲で起こる超常現象。
 その因果関係は?
 果たして、二人の運命はいかに……。

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 制作に『リング』『呪怨』などのプロデューサー・一瀬隆重氏。
 ベースは、モロにJホラーです。
 台湾ホラーは珍しく、正直期待感はありませんでした。
 未発達だから、品質は低いだろうって。

 ところが、私的評価は予想以上にアップ。
 Jホラーの良さと台湾素材を見事にマッチさせています。
 ストーリーを追っていくと、実際かなり不安になります。
 ハオとインインの行動が全くクロスせず、二つの物語が別に進行しているかのように思えるのです。
 しかし、そこにはラストに向かう緻密な計算が隠されているのでした。
 そう、いわゆるドンデン返しです。

 韓国やタイのホラーは、このドンデン返しが重視されています。
 推理小説的要素ですね。
 Jホラーは作品の品質がマチマチで、これが抜けている作品も多く見られます。

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 幽霊描写(特殊メイク)も、期待以上の出来栄えでした。
 特に冥婚の妻である女性の容姿。

 奇病に因る顔面崩壊。
 それを苦にしての自殺という設定で、ビジュアル的恐怖を確保しました。
 その家族が弛緩した女性の遺体を懸命に支え、結婚の杯を交わそうとする場面の不気味さ。イッツ、ディスガスティング!!

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 最後に、本作のテーマとなった『冥婚(メイコン)』について。
 メイコンとは、姪との合コンでもヤギの結婚でもありません。
 結婚せずに亡くなった者を家族が不憫に思い、死後に結婚させる風習。
 地域も台湾のみならず、中国や韓国、フランス、そして日本にもあるとのこと。
 ただ、地域によって内容は異なるそうです。

 本作では、女性を対象にしています。
 冥婚を行おうとする娘の家族は、赤い封筒に彼女の髪、または大切にしていたものを入れて、それを道端に置きます。
 その封筒を拾ったものが、死者の娘を娶ることになるのです。
 私はよく台湾に行きましたが、こんな話は知りませんでした。
 もし私が拾っていたら、知らぬ間に台湾デッドとウェディングになっていたわけで…。

 恐ろしいこと甚だしいのですが、この因習が存在している事実に着目しましょう。
 仮にその対象が自分の家族だったら?
 自分の娘・姉・妹が結婚を目前にして不慮の死を遂げたら?
 それが結婚直前なら尚更です。
 その無念さは、計り知れないでしょう。

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 家族への不憫さと愛情が、喪失感に拍車をかけます。
 『冥婚』が、残された家族の心の救済を果たすと言えないでしょうか?
 亡くなった者に婚約者がいれば、その男性は喜んで冥婚を受け入れるかもしれません。
 無関係な人には迷惑な話かもしれませんが、死者への愛情、残された者たちの心の慰めという意味で、冥婚の存在意義が判るような気がします。
 
  

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2018年1月 8日 (月)

本日の映画 『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』

『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』
2012年 アメリカ/カナダ 監督:スティーヴン・C・ミラー

*本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 陽あれば、陰あり。
 楽しい場所や時間は、実は恐怖を倍増させる効果もあります。
 楽しいサマー・キャンプ。ジェイソン・どおォオーン。
 おめでたい誕生日。誕生日は、もう来ない。
 そして、本作のようにクリスマスを舞台にしたホラーも数知れず。
 サイレントナイト・デッドリーナイト。
 サンタが殺しにやってくる。
 地獄のクリスマス・キャロル。
 聖し血の夜。
 クリスマスまで開けないで。

 ああ、なんて不吉なタイトルたち。
 人の幸福の裏に、不幸も存在することを忘れちゃいけないゾ。

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 さて本作。
 主人公オーブリーは、女性保安官。
 どうやら最近夫を亡くし、まだその傷は癒えていないらしい。
 クリスマスイブを両親と過ごす予定でいたが、同僚の替わりに出勤することになった。

 今宵、この小さな町はささやかながらサンタ・パレードが行われる。
 皆、その準備に大忙しだ。

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 しかし、サンタの格好をした人物が子供を泣かせているという苦情が発生。
 オーブリーは怪しい人物と接触するが、その後同僚の惨殺死体を発見する。
 それを皮切りに、次々と起こる殺人事件。
 保安官事務所の所長は応援を要請せず、自分たちだけで犯人を逮捕すると息巻く。
 犯人がサンタの格好をしていることを知り、オーブリーらは一人の容疑者を追うが……。

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 なんとなく感じたチグハグさ。
 それもそのはず、本作は80年代作品『悪魔のサンタクロース 惨殺の斧』のリメイクなのでした。
 昼夜を問わず殺しを行うサンタ。
 今なら監視カメラにバンバン映るよね~。
 なんて感想は、『NCISロサンゼルス潜入捜査班』を見過ぎたせいか?
 こういうことが気になると、作品を純粋に楽しめなくなってしまいます。

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 作品としてのコアは、こんな酷いことをやっているのは何処の何者だってこと。
 いわゆる犯人探し要素が、背骨です。
 主人公の背景や容疑者との絡みが重要なのですが、どうもこの辺は力量不足?
 犯人像、犯行動機が不明のまま終了っていう荒業を心配しましたが、さすがにそれは避けたようです。
 まあ、唐突感は否めませんが…。

 オリジナルを観ていない、または忘れているので比較はできません。
 が、おそらく特殊メイクは少し派手になったのでは、と予想されます。
 
 斧は当然のバトル・ウエポン。
 他にカイザー・ナックルによるマウント打撃。
 ハラワタはみ出た惨殺死体。
 半裸女性を巨大芝刈り機に押し込んで爆風ミンチ。
 火炎放射器は、ターミネーターの香り。

 こんな映画をクリスマスに観ていたら、絶対サンタにプレゼントなんてもらえないゾっと。
 

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2017年12月24日 (日)

本日の映画『CUB/カブ 戦慄のサマーキャンプ』

 『CUB/カブ 戦慄のサマーキャンプ』
 2014年 ベルギー 監督:ジョナス・ゴーファート

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 タイトルにある『カブ』とは、何ぞや?
 そういう疑問から、何気ない興味を貴方に。
 そして、『戦慄のサマーキャンプ』という文言のなかに見え隠れする数々のホラー名作たちの思ひ出。
 二つの要素が絡み合って観賞に踏み切った貴方に、チェルシーあげたい。
 チェルシーを知らぬ者は、敢えて検索などせず、かつてそういうCMがあったとだけ理解しておれば、決して路頭に迷うことはない。
 これは、極めて感覚的なことなのだ。
 甘く、それに螺旋上に絡む酸味は、まるで思春期のよう。
 少年から大人に変わる……。
 まるで壊れかけの何某かのようだ。
 本作は、本来であれば甘酸っぱい時期に最後の子供イズムを燃やすべき少年が、正反対のヘル・ボトムへと落下する内容である。

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 サムは、どことなく影のある少年。
 クリス隊長率いるカブスカウトのキャンプに参加するが、副長からは何となく疎んじられていた。
 カッスルロケという地でキャンプは行われる予定だったが、問題が発生。
 一行は、別の場所でキャンプを始める。

 隊長等は、子供たちを怖がらせるために、作り話を披露する。 
 そこにはカイという少年が住んでおり、夜になると狼人間に変化するというのだ。

 これを聞いたサムはカイを強く意識し、キャンプでも規律から外れた行動に出てしまう。
 やがて、サムの前に異様な少年が姿を現し……。

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 少しばかり違和感を感じる作風は、ベルギー産のオリジナルティと捉えられます。
 全体のバランスや、緊張感の盛り上げ方が巧いなあと思っていたら、2014年シッチェス映画祭の最優秀監督賞に輝いたとか。
 
 正直、特殊メイク、グロテスクな画など特筆すべきものはないものの、それをカバーするアイデアが随所に見られます。
 ・ハチの巣アロー
 ・犬のリンチ
 ・子どもたちのいるテントにトラック突入
 ・大木クロスフォール
 など、リアルな映像にすれば日本人の倫理観が黙っちゃいないヤバ系演出が随所にズっころばし。

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 サカリに目覚めたカイの行動は、本能と物悲しさを併せ持つ歪んだ成育の証。
 『13日の金曜日』『バーニング』のようなスラッシャーを期待していたら、違う意味で感心できる作品と言えましょう。
 単なるビジュアルにこだわらず、少し考えるタイプの方向きかもしれません。

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 ちなみに、タイトルの『カブ』。
 ボーイスカウトの中の、とある年齢層を指す意味で使われているようです。
 そして、クマやキツネなどの動物の子供を意味する言葉でもあります。
 本作の原題は『WELP』ですが、邦題の方が作品内容とマッチし、奥深さを感じます。
 狙ったのだとしたら、卓越したセンスですね。

 いずれにしても、単なる低級ホラーと捉えるのは浅薄で、いろいろな想いが隠されている気がします。
 少年よ、プレイボーイを抱け!

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2017年6月18日 (日)

本日の映画 『アメリカン・バーガー』

 『アメリカン・バーガー』 
 2014年 スウェーデン 監督:ヨハン・ブルマンダー&ボニータ・ドレイク

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 最近、ますますテレビ番組に不満を持つようになってしまった。
 実際、朝と夕飯時くらいしか見ないのだが、その僅かな時間でも気になってしまうのだから、これはもう末期症状かもしれない。

 その一つは、編集にある。
 続きが気になる場面に限って、はいCM。
 もちろん、スポンサーのCMをいかに見てもらうかという策の結果であることは理解できるが、視聴者の感情にストップをかけることになる。
 せっかく盛り上がった感情に、冷や水をかけるかのごとく。
 どの番組でもそれをやるから、結果テレビ全体の面白さを自ら減らしているのでは?

 そして、どのバラエティでも同じようなメンバーのキャスティング。
 視聴率やスポンサーを気にするあまり、冒険できなくなっていると感じてしまう。
 オリジナルティはドンドン奪われ、アイデア枯渇とも思える現象だなあ。

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 さて、本作。
 予告篇みて、すぐに方向性が明らかになりますよ。
 言葉にすれば、ただちに滲み出るタブー感。
 数々のヤバい作品を世に送り出した無敵のテーマ。
 そう、人肉なのです。
 ヤバいよ、ヤバいよ、ヤバイヨクイナ。

 猫まっしぐら、性春まっしぐらなアメリカの学生たちを乗せたバスは、クラケッチ国を移動中。
 クラケッチ国?
 聞いたことないッス。
 思うに、実在国だと都合悪いからかもしれません。
 ホントにあったら、クラケッチ国民に我が無知を謝罪します。

 学生たちは、親や学校からの勧めでヨーロッパ研修に参加した模様。
 その割には、女学生はほとんどチア・ガール姿。
 他にアメフト部のイケ面野郎や、対極のヲタク学生たち。
 車中では、しょうもない下品な悪戯や会話、チア・ガールらの色気が飛び交い、ちょっとしたカオス空間を作っております。

 彼らの目的は、工場見学。
 その工場こそ、アメリカン・バーガーを製造しているのでした。

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 バスが到着し、一人の男が出現。
 初めの友好的な雰囲気も一変、舞台は惨劇の幕を開ける。
 学生たちは次々に命を奪われ、その場を逃れることができたのは数人だった。
 執拗に迫りくる追手たち。
 はたして主人公らの運命はいかに……。

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 はい、それほど凝った描き方をしていないので、ネタバレします。
 アメリカン・バーガーとは、アメリカ人の肉100%で作ったハンバーガーのこと。
 工場見学に来る学生ツアーが原材料という世にも恐ろしい設定ですが、ツアー丸ごと消えたら警察が動きますよね?
 いまいち緊迫感が薄いと思ったら、警官が一切出ませんでした。

 逃げた学生たちのサバイバルがメインですが、豊富に盛り込んだコメディ色効果もあって人肉の禁忌感もかなり薄まっています。
 なんとなくグロいシーンもありますが、私的には消化不良。
 バーガー喰う口元の汚さ、いくつかのゲロという生理的悪寒をくすぐるシーンもありますので、初心者の方は若干の気構えが必要かもしれません。

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 全体的に何となく違和感があって、それは何かといえばスウェーデン産だったことに由来します。
 チア・ガールの一人は逃亡中にドンドン服が脱げていき、段階的にセクシーさがアップ。
 最後はノーパン姿になる訳ですが、アメリカンな描写とはちょっと違う。
 笑いのツボも10度くらいはズレれていて、これを斬新と取るか、イマイチと取るか。
 特殊メイクは特筆すべきシーンもなく、やはり技術または予算不足を思わせてしまいます。

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 アメリカン・バーガー製造までのいきさつが描写されておらず、万が一にも続編が作られるようであればネタには事欠かないでしょう。
 私的にはもっと濃いィ演出を希望しますが…。

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2017年5月28日 (日)

本日の映画 『デビルシャーク』

 『デビルシャーク』

 2015年 アメリカ 監督:ドナルド・ファーマー

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 ウォーキング・デッドの観賞が、止められない。
 本日、シーズン5までを観終える。
 毎日のようにゾンビを観ているのだから、ホラー欲求は充足。
 下手なホラー映画を観賞するより、よほど有意義な気がする。

 だけど、私は戻ってくる。
 ノンストップ、ホラー。
 私も伯爵改めノンホとでも改名しようか。
 能年ちゃんの気持ちを、少しでも解りたい新緑の候。
 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
 私は万年5月病で、『ちょっと今から仕事やめてくる』という映画のタイトルに興味津々でございます。

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 さて、久しぶりに手を出した作品が、事もあろうに『下手な』作品にあたってしまった。
 ゾンビほどではないものの、ホラー映画界はサメの存在を忘れてはならない。
 『ジョーズ』以降、どれだけのサメ映画が世に公開されてきたことだろう。
 サメは、ホラーマニアを刺激して止まない存在なのだ。
 

 そして、もうひとつ過去の名作から派生した絶対存在のテーマがある。
 それが『エクソシスト』だ。
 同名のウィリアム・フリードキン監督作は、ホラー映画の金字塔。
 カラス神父の死様に心を打たれたマニアは、少なくはないだろう。

 この二つの要素をミックスしたら、そりゃあ大ヒット間違いなし。
 そういう大胆かつ安直な発想で作られたであろう本作は、リハビリ兼ねた私の脳内に膿汁を注ぎ込み、高速ヘッドバンキングを強いるようなダメージを与えてくれたのでした。

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 最初に登場する謎の修道女。
 君の名は?
 はい、リンダ・ブレアです。
 いきなりのジャブは、まるでフリッカー。
 何かが起きて、彼女は信仰を失ってしまったようだ。
 その何かは本作においてとても重要に思えるのだが、観客の想像に委ねられている。
 
 修道女が突然現れた女性を殺害し、死体を湖に突き落すと、デビル・シャークの登場だ。
 レイザーラモンCGの称号が相応しい、リアル感まったく無しの代物です。
 背景がブルーで、波や湖底の様子も全くゼロ。
 サブゼロ、Win状態で、ある意味たいしたもんだよ蛙のションベン、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし。
 結局、サメ描写は全編通してフルCGでした。

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 その後は主人公らしきガールを中心に、水着シーンを散りばめて。
 スレンダーからメガ・ポッチャリまで、なんだって揃えて見せるぜ!!
 まるでAチームのフェイスマンのような仕事ぶりです。
 ウザい霊能者女性は何かに憑依され、ゲロ吐いたり俳諧したりの意味不明演出。
 サメの恐怖も感じられなければ、悪魔の脅威もナッシング。
 それでも登場させたマイケル神父は、グダグダな悪魔祓いをわずかに行っただけ。
 天からデビルシャークが降臨するシーンは、さながらバンカーアタックのよう。

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 他にも、同じBGMが何度も繰り返されて不快感を生んだり。
 劇終かと思っても、役に立たないシーンが不死鳥のように続いたり。
 制作側の意図をくみ取ることは容易でないことは確か。
 考えてみれば、シャークなのに人を食いちぎるシーンが皆無。
 悲鳴があがって画面はブラックアウトなんて小技も採用しとるで~。

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 国語の最高偏差値80.4の私の頭脳を持ってしてもストーリーの説明が難しい本作。
 池上彰氏の解説を期待して止みません。

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男性の肩に注目!!
『父』って、どうよ。

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2017年2月27日 (月)

本日の映画 『デビルズ・メタル』

 『デビルズ・メタル』
 2016年 ニュージーランド 監督:ジェイソン・レイ・ホーデン

 *本記事は、グロテスクな映像を含みます

 久々の更新であ~る。
 年初から何をしていたかというと、ともかく観賞を繰り返しておりました。
 『ウルトラマン・オーブ 全話』。
 『ウェイヤード・パインズ シーズン1』。
 『ウォーキング・デッド シーズン1』。
 そして『タンクトップ・ファイター 全話』。
 もちろん、ホラー映画も忘れてはいない。
 レビューは書かないが、観賞ペースはイジリー岡田。

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 さて、本作。
 あまり期待できないぞっ、UQって感じのスタンスで臨む人が多いのでは?
 ジャケ写もパッとしないし、どうやらコメディ部位も混入しているらしい。
 さらにニュージーランド産ときたもんだ、モンデ酒造。
 これで期待しろというには、ムロツヨシ。

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 オープニングは、予想どおりの金属ギター音全開メタル。
思わずヘッドバンキングして、舌を出した貴方。
 メタルの絆を感じたかい!?
 おっと、視線は画面から動かさないでくださいよ。
 
 尻から脱糞のごとく飛び散るBLOOD&小腸。
 バンドマンの奏でるギターは、チ○コ。
 ヘンテコ・アニメが作品のクオリティを期待させます。

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 主人公は、ブロディという高校生。 
 当然のごとくメタラーな訳で、ギターを担当。
 しかし、彼の境遇はかなりヘヴィ・メタルだぜ。

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 母親がヤクにはまり、商店街でサンタのナニをFェラ。
 当然のごとく、精神病院に収容されてしまった。
 ブロディは叔父の家に引き取られたものの、メタルな趣味が受け入れられなくて孤立。
 いとこのデヴィットともソリが合わない。
 学校で人気No1女性メディナに一目ぼれするも、彼女はデヴィットの恋人だった。

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 それでも、ブロディの周囲には仲間が集まる。
 オタクな友人ジャイルズとディオン。
 そしてワイルドなメタラー・ザック。
 彼らは『デスガズム』という名のバンドを組んだ。

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 ザックの手引きで忍び込んだ家は、伝説のメタラー、リッキー・ダガーズの家。
 そこで手に入れた楽譜は、恐ろしい秘密を含んでいた。
 『黒い讃美歌』が奏でられる時、町は邪悪なものに包まれる。
 それは世界を破滅に導く魔王の復活だった……。

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 笑いのツボは、人それぞれ。
 本作の笑いも、人を選びます。
 まあ、下ネタ多発注意報を発令しておきましょうか。
 悪魔化した使徒たちと戦う武器が、ゴム製チ○コやア○ル開発系器具か、ヴァイブ。
 この戦いは、ヤバいと思います。
 そうかと思うと、チェーンソー二刀流の華麗な舞があったり。
 おゲヒーだけでない何かをきちんと含んでいます。

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 誤解のないように言っておきますが、そういう小道具があっても直接的な裸表現は少ないのでご安心(?)を。
 悪魔化した人間は、デモンズに近いですかね。
 何となく『ブレイン・デッド』や『死霊のはらわた』を匂わせる雰囲気も持っています。

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 ハチャメチャな部分も多いけれど、友情・恋愛・孤独など青春要素もしっかり加味されて、それを笑いでコーティング。さらにブラッド・ソースをたっぷりと。
 もちろんバックにはご機嫌なメタル・ナンバーが豊富に用意されて、ユーもミーも思わず叫ぶよ、ファック・オ~ッフ!!

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2017年1月23日 (月)

本日の映画 『デビルズ・トレイン』

 『デビルズ・トレイン』
 2015 イギリス 監督:ポール・ハイエット

 *本記事は、グロテスクな表現を含んでいます。

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 新春一発目のレビュー。
 それに相応しい大作がもっとないものか!
 と、お叱りを受けるかもしれませんが、観賞しちまったものはしょうがない。
 ホラーは、気分でいこう!
 
 今日は、チョイ・グロって気分!?
 本日は、ゲロ・グロでいきたいわ!とか。
 うぉお、今日はギガ・グロがいいぜっ!!!
 ……なんて、貴方の周りにもいるでしょう?
 
 その日の体調。
 思考能力。 
 対人関係。
 昨日食べた夕飯。
 恋人の有無。
 そういったものがミックスされて、自分に相応しい作品を選択するのです。

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 さて、本作。
 主人公は、冴えない感が滲み出ている鉄道会社勤務のジョー君。
 仕事に喜びを見出している訳でもなく、俺このままでいいのかな的オーラに包まれた青年だ。
 転機を見出そうと、昇格試験を受けるも残念な通知が。
 挙句の果てに同僚はバッチリ合格し、しかも夜行列車車掌の代行を命ぜられる始末。
 ジョーが乗った列車は、イーストボローに向けて出発する。

 途中で事件が発生する。
 列車が何かに衝突し、緊急停止してしまった。
 運転士が状況を確認しに車外に出るも、戻ってくる気配がない。
 ジョーは乗客たちを落ち着かせるが、彼らは得体の知れぬ怪物に狙われていた……。

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 ベースは、まるで80年代作品のよう。
 いわゆるクリーチャー王道パターンです。
 適度なグロシーンと緊張感が、バランス良く配置されています。
 斬新な感じはしないのに、飽きが来ないのは監督の力量でしょうか?
 単純な追いかけっこにもならず、ラストまでの処理も申し分なし。
 私的には、評価高いですよ。

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 予想以上に良かったのは、クリーチャー・デザイン。
 題材を言ってしまうと魅力減になってしまうけれど、私が好きな過去作に通じるものがありました。
 このデザインや、そこそこのグロ表現は、アメリカ作品と見間違うほど。
 イギリス作品の品質進化を実感させます。

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 乗客の人物描写もしっかりしていて、感情移入しやすいですなぁ。
 ゲス男には、しっかりと腹立ちましたよ。
 そういえば、昔の作品は腹立つキャラがいて、こいつ殺されろ!!と何度も思ったものでした。
 キル、ヒム。
 狼は生きろ!ゲスは死ね!
 なんてキャッチ・コピーありましたなぁ。
 えっ、ゲスじゃない!?
 アッ、豚だったか……。
 これまたトン(豚)だ勘違いを……。

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2016年12月 4日 (日)

本日の映画 『水野美紀 サム・ヘーゼルダイン in 甲冑師団 コマンダー731』

 『水野美紀 サム・ヘーゼルダイン in 甲冑師団 コマンダー731』
 2013年 アメリカ・インドネシア 監督:スティーブン・シェイル

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 まずは、長尺さに困惑しつつも、何か惹かれてしまう邦題に注目!!
 水野美紀さんは、十分にその名が知れ渡っている女優。
 TOPフィーチャにアメージングはないが、忘れていけないのは、本作が外国作品ということ。
 しかもホラーでB級と来たもんだ。
 私的認識では、水野さんはトレンディ俳優といっても過言ではないポジション。
 ハリウッド進出のドリームを賭けたチャレンジだったのだろうか?
 他にもバリバリのアクション作品出演など、並みの女優ではないソウルを感じさせます。

Dm003

 そして、作品を牽引するもう一人の俳優、サム・ヘーゼルダイン。
 正直、彼の名は知りませんでした。
 出演作も数本は存在するようですが、どうにもピンときません。
 ディス・イズ・ア・ピン。
 ディズ・イズ・ア・アッポー。
 あわせてピンナッポー。
 ウケんのか、こんなギャクで……。
 ジャスティンよ、オレのネタでも笑え。

 とりあえず、ヘーゼルダインという名前は音的な響きに魅力があります。
 思うに、ターミネーターあたりからくる音感データを誘引し、サイバーダインという単語と結合。ダインの法則に従って、脳にプラスの影響を施すのでしょう。
 

 ちょっと、実験してみましょう。
 単語にダインを組み合わせるのです。
 ヘルダイン。地獄の兵器で強そうなイメージです。
 ゴッドダイン。巨大ロボのネーミングとして、使えそうです。
 バトルダイン。これも兵器ロボ系に当てはまりそうです。
 ヒャダイン……。

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 まあ、そのような効果を知ってか知らずか、サムさんの名は邦題にプラスの影響を与えていると言えます。
 そして、本作の主たるキャラである甲冑師団。
 ホラー作品において、恐怖の源しずかちゃんを考えた場合、それは殺人鬼やクリーチャーなどが該当します。
 本作のソレは甲冑師団であることを邦題で主張し、甲冑愛好家に猛然とアピール。
 甲冑マニアで、ホラー好き。
 ナイスな観客層の選別で、大ヒット間違いなし!!
 う~ん、ファンタスティックなマーケティングにまいっちんぐ。

Dm011

 さらには、ラストワードのコマンダー731。
 初見で気付かぬ私の愚かさや未熟さを笑ってくれい、ジャスティンよ。
 (ちなみに私はジャスティン・Bのことをまるで知らない)
 劇中に判ることだが、これは人体実験の噂が絶えない石井731部隊のことだったのだぁ。
 これに気付かぬようでは、ワシもまだまだよのう。
 自戒の念と共に、愚かな自分にブラックローズの花束を…。

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 さて、内容は至極単純です。
 アメリカかどっかの会社CEOの息子プライスが、インドネシア・ウナウナ島にやってきた。
 金にものをいわせたのか、現地姉ちゃんを同伴。
 そして彼に雇われているのが、日本の歴史研究家リエ(水野美紀)。
 プライスらは兵士たちを雇い(そのうちの一人がサム・ヘーゼルダイン)、廃坑を探索する。
 その廃坑は、旧日本軍のものだったらしい。
 実はプライスらは、伝説の山下将軍が隠した財宝を探していたのだ。
 
 真の目的を知らず、廃坑を探る兵士たち。
 しかし、そこには想像を絶する存在が棲息していた……。

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 恐怖ファクターは、石井部隊の実験によって生存していたクリーチャー。
 および邦題どおりの甲冑師団。
 日本兵の生き残りもいたりして、けっこうブッ飛びの構成だ。

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 賞賛すべきは、低予算を窺わせながらも、世界観をしっかり出せていること。
 日本人にウケるか疑問だが、甲冑師団のディテールは海外で効果を発揮するかもしれません。
 『ディセント』+『エルゾンビ』×JAPANテイスト÷水野美紀×サム・ヘーゼルダイン。
 雰囲気を表現すれば、こんな感じでしょう。

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 肝心の水野さんは、やはりおとなしめの演技。
 ホラーの定石どおり、タンクトップ姿で熱演するのだけれど、ハリウッドのB級肉感姉ちゃんと比較すると、やはりパワー負けはしょうがないか。
 ただ、恐怖に目を向くシーンはやたら印象に残って、女優魂を見せつけてくれます。

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 私的には、もっとスプラッター度や色気をアップすれば、かなり満足度の高い作品になったと思ってます。
 しかし、よくよく考えてみれば、第二次世界大戦時に日本兵は甲冑と刀で戦っていたことになり、時代考証の大切さを考える今日この頃でした。

 最後に一発ギャグを披露。
 ピカチュウ、甲冑、ハイチュウ!! 

Dm012



 

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2016年10月24日 (月)

本日の映画 『ヘルケバブ 悪魔の肉肉パーティー』

 『ヘルケバブ 悪魔の肉肉パーティー』
 2015年 トルコ・アメリカ 監督:ジャン・エヴェルノ

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

 10月も下旬というのに、気温は微妙な感じです。
 先週も、ほぼ通勤は半袖で通しました。
 事務所の中は暑く、窓が開けられない。
 外は涼しくても、自然の風が通らないなんて、しょうがないビルだよ、まったく。
 

 その上、未経験の業務を担当することになって、また時間が足りない生活に舞い戻ってしまいそう。
 それでも今更ながらにハマった『ER緊急救命室』で、新たな人生の教訓を得ている毎日。
 自分でも驚きますが、ここ数カ月でシーズン8までを一気通貫。
 カーター(吹替:平田広明さん)の声色が真似できそうで、業務の電話でも徐々にシンクロさせています。
 これでも部下5人率いるリーダーだから、人生って不思議よね。
 電話でカーター。
 会議でカーター。
 俺、カーターを語る。

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 さて、本作。
 まずはジャケ写に注目。
 邦題の『ヘルケバブ』で、ガツーン。
 まるで大谷の165㎞のような直球だ。
 これでマニアは作品の方向性と内容を推測する。
 そして秀逸ともいえるキャッチ・コピー、『おいでよ、肉フェス』。
 世間は、肉である。
 肉フェス、肉バル。
 異性を誘う口実にも最適だ。
 ヘイ、彼女。肉食いにいかない?
 そのような誘い方をする輩は、おそらくこの日本には存在しないだろう。

 男も肉、女も肉。

 この傾向は、いつからだろう。
 ニク、ダイスキデス。
 そういう風に公言する女性は、昔は少なかった気がする。
 しかし、潜在的な欲求は、昔も現在も変わってはいない。
 やはり、時代がオープンになった証だろう。
 本質は、そのままに。
 無理に隠してはならない。
 それをカバーするのが、食のマナーだ。
 肉といっても、綺麗な女性が血を滴らせ、唸りを上げて咀嚼する訳ではない。
 フォークとナイフを優雅に使い、そっと口に運んで、小さく口を動かす。
 歯間に挟まった肉カスを、爪でほじる仕草もしない。
 肉は、オシャレ。
 そういう時代が始まっているのだ。

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 しかし、本作は決してオシャレではない。
 いってみれば、肉の原点回帰。
 血の滴る肉片を、唾液を垂らしながら喰らう。
 肉と欲。
 森崎友紀の写真集のような響きだが、もっと下級な意味を狙ったに違いない。
 そして、私もそれを想像していたのである。

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 おそらくは、ゾンビもどきが人肉食ってバアアーーン。
 腕がちぎれ、腸が飛び出してドサァ。
 私の期待は、まさにソレだった。
 しかし、その期待は見事なまでに裏切られたのである。

 

 物語は、数人の警官を中心に展開。
 仲間内で下品な会話をした後、救援要請を受ける。
 その場所は、インチャージ地区。
 噂では、普通の人間は寄りつかない場所だという。
 
 到着した警官たちは、闇の中に不気味に佇む旧い警察署を発見。
 そこで信じられないものに遭遇する。

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 正直いえば、全体のバランスは良くない。 
 40分以上かけた前振りが、長すぎるのだ。
 一応、小技の描写を盛り込んでいるが、本筋にかかわるものをもっと早い段階で挿入するべきであろう。

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 しかし、旧警察署の発見から、緊張感は増していく。
 禍々しい雰囲気は、想像以上。
 よく見れば、特殊メイクにあまり予算がかかっていないようだが、それでも雰囲気は損なわれていない。
 謎の集団と儀式。
 既存の作品とは少し趣向が異なっていて、オリジナルティは高い。

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 想像よりは、グロ度は低め。
 雰囲気は、なかなかのもの。
 ただ、何が起きているのか、もう少し描写を求めたいところ。
 おそらく、低級ホラーに馴れていない観客には、何がなんだか意味不明の印象を持たれてしまうだろう。

 最後に。
 一つだけ、スカされた場面を紹介しておこう。
 山羊の面を被った豊満女性の出現。
 とんでもない怪物を期待させておきながら、その後の展開にオープン・マウスが塞がらない。
 お子様厳禁。
 なんとも微妙な、どちらかといえば失笑もしくは鬱い感覚が貴方の内に湧きおこる。
 ああッ、なんと禍々しく、汚らわしいのだろう。
 ヘルケバブ、マニアならドント・ミス・イット。

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2016年9月21日 (水)

本日の映画 『クリスマスまで開けないで』

 『クリスマスまで開けないで』
 1984年 イギリス 監督:エドマンド・パードム

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 表があれば裏がある訳で、聖なる夜が生々しい男女の営みベストデイと勘違いする輩もいたりする。
 そういう世の中に渇を入れたかった訳でもなかろうが、天邪鬼発想がこういうジャンルの作品を生み出しているという事実を我々は認識しておくべきである。

 けがれを知らぬ子供たちに、夢を配る職業。
 ザ・サンタ。
 世界中に、その名を知らぬものはいないだろう。
 しかし、ここで冷静に考えてみよう。

 僕は、大きくなったらサンタになりたい。
 私は、サンタのお嫁になるわ。
 そういう言葉を、貴方は子供から聞いたことがあるか。
 あるかも知れないが、それは少数意見だろう。

 思うに、子供たちはサンタという人間を超越した存在を、自然と区別しているのだろう。
 それは、神の一種に近い存在かもしれない。
 だから、自らそれになろうと考えたり、嫁に行こうなどとは考えられないのである。

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 本作のサンタに目を向けてみよう。
 本作は、紛れもないホラーである。
 ホラーであるから、人が死ぬ。
 犠牲者は、サンタに扮した人間である。
 クリスマス、町はサンタでいっぱいだ。
 超越的な存在のコスプレを、軽々しくしやがって。
 犯人の怒りは、宗教的なものか?
 次々にサンタに扮した人間が、とてつもない残酷な死に方をしていく。

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 後頭部から口中への槍貫通。
 顔面バーベキュー。
 至近距離から口中への弾丸発射。
 放尿中のティンコ、カミソリ・カット。

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 犯人の目的は?
 親父を殺されたヒロインと、捜査を進める警部が犯人を追いつめていく。
 そして、予想だにしなかった怒涛のラストは、まさに80年代に埋蔵された地雷が爆発したかのような衝撃。

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 聞くところによると、監督エドマンド・パードムはカルト作『ブラッド・ピーセス』に学長として出演していたという。(『ブラッド・ピーセス』は、本ブログでもレビュー済)
 おそらくは、その時に深い感銘を受けたのだろう。
 まちがいなく『ブラッド~』と同じようなテイストが、全体的に施されている。

 あまり必要性のないお色気シーンも豊富で、イエス・サンタッ!!の掛け声必至。
 サスペンスとセクシー、そしてスプラッター。
 不思議とB級要素を多数装備し、奇跡のホア作品(アホの反対。一般人にはどうしようもない内容だが、マニアにはその逆)を堪能しよう。

 イエス、サンタッ!!!

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