書籍・雑誌

2012年4月 8日 (日)

『アミダサマ』

『アミダサマ』 沼田まほかる著 新潮文庫

016


表紙とタイトルが気になり、購入してみました。
ホラー・サスペンスということで、小説としては久し振りのジャンル。
読み始めて、一気に物語に引き込まれます。
ストーリー全体というよりは、次第に移ろいゆく変化が気になる作品。
日常を侵食していく違和感。
さりげなく、ドキッとする文章が散りばめれている。
特に悠人のパートは、痛々しい。
読む側も、次第にそのヤバさに囚われそうになる。
これまでのホラーに属さない、しかし、明らかにホラーといえる内容。
著者の僧侶経験や、恐るべき発想力も手伝って、インパクト大。

軽々しく使いたくはないが、畏るべし才能を感じます。
ただし、これは小説ならでは。
文体や表現など総合的な要素が見事に構築されている。
映像化したら、まず失敗するでしょう。

2011年7月24日 (日)

ゾンビ映画大マガジン

『ゾンビ映画大マガジン』 伊東美和 編 2011年 洋泉社

あの『ゾンビ映画大事典』から8年。
その間に、ゾンビ映画は絶えることなく、それどころか益々増殖していた。
満を持して、我らが伊東美和さん始動!

今回も、2002年-2010年のゾンビ映画レビュー掲載。
『大事典』の実質的続編と考えて良いでしょう。
当然ながら、日本未発売の作品群も

今回は、ムック形式で価格も抑えられました。
ゾンビ愛好家は、狂喜乱舞していることと思います。

映画に限らず、ロメロ監督インタビュー、小説、コミック、ゲームなどの記事も掲載。
ゾンビの満漢全席ですね~

ちょっと驚きは、紅音ほたるちゃんが寄稿しています。
彼女、ホラー映画ファンだったのですね
『ブレインデッド』に対する愛情が、たっぷり詰まっています。
関西弁で味のある文章、良いッスね

雑誌 / ゾンビ映画大マガジン 洋泉社mook  〔Book〕 雑誌 / ゾンビ映画大マガジン 洋泉社mook 〔Book〕
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ゾンビ映画大事典

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『ゾンビ映画大事典』 伊東美和 編著 2003年 洋泉社

2003年の刊行ですが、未だ大型書店では販売されています。
映画マニアはご存知の洋泉社製。
全415ページ、ド級の分厚さ
お値段、なんと3,800円ときたもんだ。

購入するのに、1か月悩みましたよ。
本としては、正直とんでもない?価格です。
でも、内容を考えると、決して高いとは思えないのですね~。

1932年~2002年のゾンビ映画のあらすじとレビューが載っており、資料的価値と労力を考えると納得してしまいます。
掲載作品も、ただ日本発売された作品だけではありません。
日本版未発売のもの多数!
ゾンビ愛好家には、嬉しくも必要なバイブル

この本の存在にリスペクトを捧げます

2011年5月21日 (土)

『エクソシスト』 文庫版

『エクソシスト』と言えば、まずはウィリアム・フリードキン監督の映画(1973年)が有名。
私の最も好きな映画の一つです。
この映画を観たからこそ、ホラーマニアとしての自分がここにあると言っても過言ではありません。

映画では、どうしても悪魔に憑かれた少女リーガン(リンダ・ブレア)のショッキングなヴィジュアルに目が行きがちですが、実は本作の魅力はそれだけに留まりません。
原作を読むと、その違いに気づかされます。

そもそも、悪魔憑きというものは、精神病との境界が曖昧です。
エクソシスト(悪魔祓い師)や、エクソシズム(悪魔祓いの儀式)は実在するそうですが、闇雲に儀式を行うことはないそうです。
儀式を行う司教らも、常に病との見極めに留意し、慎重な対応を取るそうです。
原作では、その見極めに関しての描写が巧みであり、文章ならではのスリリングさが味わえます。この辺のくだりは、映画より描写に力を入れておりますね。

逆に、ラストのエクソシズムシーンでは、衝撃的なシーンを駆使した映画に軍配が。
映画では、素晴らしい余韻も残してくれました。
私は映画→原作の順でしたが、お互いがミックス・アップして面白さを押し上げてくれた気がします。
これは、同様のテーマを別観点から捉えた『エミリー・ローズ』の映画にも少なからず影響を与えます。どちらかといえば、原作はエミリー寄りに感じました。

悪魔祓いの知識を深めると、これらの映画の魅力が増しますので、未読の方にはおススメです。

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2011年5月12日 (木)

『怪談倶楽部 幽魂』

『怪談倶楽部 幽魂』 平谷美樹 著  竹書房文庫

怪談を研究しようとして、本作を見つけました。
岩手県在住の方がメインの、怪談倶楽部で語られる内容を単行本にしたものです。
こちらは、いきなり第三弾でしたが、基本は一話完結なので気になりません。

ただ、やはりドラマチックではありませんね。
怪談の雰囲気は、味わえますけれど。
荒唐無稽な話もあったりして、ネタ切れ感すら漂います。

表紙のイラストが、けっこうツボです。
部屋に飾りたいなあ。本気で。
久保田晃司さんという方の作品だそうです。
他の二集も、同種のイラスト。

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2011年5月11日 (水)

本日、読了 『怪奇小説という題名の怪奇小説』

『怪奇小説という題名の怪奇小説』 都築道夫 著

本屋で目立つ所に置いてありました。
1980年に初出があるようで、比較的旧い作品です。
といっても、文体や仮名遣いが旧いわけではありません。
スラスラ読めますね。

怪奇小説を書くことになった作家の視点でストーリーが進みます。
小説を書こうとしていて、次第に作者自身が怪異の世界に足を踏み入れていきます。
劇中劇ならぬ作中作があったり、いわゆる怪談とは異なる雰囲気を持ったり。
展開が全く読めなかったので、ラストまで一気読み。
どちらかといえば、欧米の風を感じる作風です。しかし、それが見事に和とフィット。
怖ろしい才能です。
日本にも、こんな作家がいたんだなあと感心させられます。

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2011年5月 4日 (水)

パブーで新作UP!

創作小説を投稿しています。
B級ホラー映画のテイストが出したいと思い、日々勉強中!

今回は、伝奇ホラーっぽい感じを試してみました。

http://p.booklog.jp/book/25421

ブクログのパブー | 電子書籍作成・販売プラットフォーム

2011年4月24日 (日)

そうだ、怪談を書こう

本年より、趣味の小説をWebで公開している。
Web小説用に、できる限り短くするようにしているが、慣れてくると文章量が増えてしまう。
短くて、インパクトのあるもの。
これが、僕がWeb小説において目標としているものだ。

僕は、アメリカのB級ホラーの雰囲気が好きだ。
これと同じような雰囲気の小説を将来書きたいと思っている。
しかし、ホラー小説の題材は、日本の怪談的発想の方が怖い。
湿気を含んだ雰囲気が、独特の緊張感を演出するからだ。
和ホラーと洋ホラーの良さを掛け合わせる。
それも、目下の目標の一つ。

ところが、僕はいわゆる怪談に造詣が深くない。
折しも怪談ブームが起こり、多くの怪談本やDVDが出現した。
おそらく、ネタは出尽くしてしまったのだろう。
接してもいない内から、僕はこの分野を漠然と避けてきたのだった。

いま公開している短編『暗黒の欠片』はホラー短編小説で、僕の実験的要素が強い。
練習も兼ねているから、和風と洋風をできるだけ交互にしようと思っている。

和風には、怪談のエッセンスが自ずと必要になってくる。
参考書代わりに、たまたま手に取ったのが、『怪しき我が家』なる短編集。
本の雑誌ダヴィンチに広告が出ていて、その存在に気づいた。

文字どおり、家を題材にした怪談短編集で11編から成り立っている。
いずれも文章やストーリーのクオリティが高く、予想以上に良作が掲載。
オリジナルティも高く、怪談文学と呼ぶに相応しい作品集だった。

 怪しき我が家 家の怪談競作集