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2020年6月14日 (日)

本日の映画 『サタニック・ビースト 禁断の黒魔術』

『サタニック・ビースト 禁断の黒魔術』
2018年 ブラジル 監督:ロドリゴ・アラガォン

※本記事はグロテスクな表現を含みます

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「トニックウォーターをくれ」
バーテンの僕は、戸惑っている。
トニックウォーターだけか?
使途が判らず、単品で出してよいのかどうか。

男は、催促する。
「いいから、トニックウォーターだ」
客の要望には、応じなければ。

男の様子は、明らかにおかしい。
受け取った瓶を左手に持ち、自分の正面に置いた。
男の口から洩れる奇怪な言葉。
何かの呪文だろうか。
同じフレーズを繰り返し、額には汗が滲み出ている。
浮き出た太い血管は、興奮しているためか。
身体は小刻みに震え、瓶がカタカタと鳴った。

ドラッグだ。
ヤク中の人間など見たこともないが、僕は直感した。
人間、予想外のことが起きると、何もできなくなる。
僕の思考は停止し、眼だけが男の動向を見守った。

あっ。
異常に気付いた周囲の客も、同様に声を上げた。
男の頭が後ろに反り、瓶めがけて振り下ろされたのだ。
ゴツリという音が、氷のような悪寒を運んだ。

飛び交う悲鳴。
飛び散る血潮。
男の後頭部に貫通した瓶が、真っ赤に染まっている。
なぜ、瓶は割れていないのか……。
奇妙な違和感が先行し、僕の脳は状況を把握していない。

男の両手は、電流が流れたかのように痙攣している。
それでも、男の呪文はまだ続いてた。
ヤビエスラヌス、ハビエルベラモータ……。

それが悪魔を招聘する言葉だとは、後に気付くことになる。
この時はただ、漠然と感じただけだ。
地獄の門が開かれた……、と。

 

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……なんて、小説を書いちゃう梅雨の休日。
みなさん、いかがお過ごしですか?
レベルの低いホラーにありがちな、夢オチに近いオープニングにしてみました。
今回紹介する映画からインスピレーションを受けたのですが、共通項は黒魔術のみ。
かなり違う方向に仕上がりましたね。
何も考えずに創作すると、楽しいです。

 

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さて、本作のレビューに移りましょう。
監督ロドリゴ・アラガォンは、ブラジルホラーのパイオニア。
『デス・マングローブ』『シー・オブ・ザ・デッド』などのゾンビ作品が有名ですかね。
それに『吸血怪獣チュパカブラ』なんてのも手掛けてます。

ジャングル内の小さな村。
汚さ薫るゾンビやクリーチャー。
黒い血のスプラッター描写。
ちょっとしたエロス。
まあ、彼の作風は、こんなものです。
いまいち意味不明なところもあり、勝手に想像して補足する能力が必要かもしれません。
どちらかといえば、一般人には敬遠されるタイプですね。

ところが、ブラジルという土壌に育まれ、予測できない描写がマニアのツボを叩く。
特殊メイクは感心できるクオリティなので、新作出るとスルーできません。
ロドリゴ作品をはじめ、次期ホラーブームは南米が最有力!?
サンバ・オブ・ザ・デッド、よろしく!!

 

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脱線ばかりですが、本作のヒロインはクララという若き女性。
両親は不明で、人の良さそうなオジサンに育てられています。
ある日を境に、人生ガラリ。
一生分の不幸が、まとめてやってきちゃいました。
瀕死の旅人から渡された「シプリアーノの失われた書」は、地獄の扉を開くカギだったのです。
ああ、なんてHELL!!

 

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これまでの作品と違い、なんとなく垢ぬけ。
ダークファンタジー色混入ですが、期待したハチャメチャ度はナリを潜めます。
クライマックスでなんとか追い付き、特殊メイクを存分に披露。

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なんとなく過去名作へのオマージュが感じられ、たとえばエイリアンのフェイス・ハガーを思わせるチキン・ハガーが出現。
少々コミカルですね。
本で悪魔を呼び出すのは、「死霊のはらわた」でしょう。
最後の黙示録描写も、マニア向け。
直接描写ではないのですが、妊婦ネタのグロさが貴方の神経を掻き毟ります。
悪魔のベィビィ、ハイハーイ。
HELLの付け合わせには十分ですな。

 

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