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2020年6月

2020年6月24日 (水)

本日の映画 『フェノミナ』

『フェノミナ』
1985年 イタリア 監督:ダリオ・アルジェント
主な俳優:ジェニファー・コネリー ドナルド・プレザンス ダリア・ニコロディ

※本記事は、グロテスクな表現を含みます

 

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ホラーマニアには、言わずもがなの名作。
私も何回観賞したか、思い出せないほどです。
当然レビュー済と思っていたら、どこにも記事が見当たらない。
考えてみたら、メジャー作品って誰もが取り上げるので、天邪鬼精神が働いて避けていたのでした。
最近、もっと楽に生きようと、精神改造真っ只中。
許容範囲を意識的に拡げ、くらげのようなライフを目指しております。

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さて、本作。
主人公ジェニファーは、アメリカで人気のアクターを父に持つ。
母が出て行っちゃったので、ジェニファーはスイスのリヒャルト・ワグナー女学校に入学することになった。
この地は、スイスの魔境とも呼ばれている。
その原因は、フェーンという熱風が吹き、人をおかしくさせるというのだ。
真偽は不明だが、明らかに不吉な事件が起きていた。
少女を狙った連続失踪・殺人事件である。
人々は、シリアル・キラーの存在を疑っていた。

異変は、すぐに始まった。
完治したと思っていたジェニファーの夢遊病が再発したのだ。
混沌とした意識の中、ジェニファーは見知らぬ少女の殺害現場に遭遇してしまう。

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どうにか難を避け、ジェニファーは昆虫学を専攻するマクレガー教授と出会う。
マクレガーは、ジェニファーの持つ不思議な能力に気づく。
そう、ジェニファーは昆虫と意思疎通できるのだ。

 

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学校に戻っても、ジェニファーは落ち着かない。
そんな中、ルームメイトのソフィーが行方不明に。
校長はジェニファーの異常性を疑い、果ては精神病院に送ろうと画策。
友人たちからも苛めを受け、ジェニファーは学校を去る。

 

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再びマクレガー邸を訪れたジェニファー。
犯人の手袋に付着していたウジからヒントを得て、犯人の居場所を探す。
しかし、魔の手はマクレガーに迫っていた……。

 

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こんな美少女がホラーに!?
当時のホラー界は、話題持ちきり。
さらにイタリア流グロ描写も健在で、その取り合わせが斬新すぎた。
加えてBGMはゴブリン、アイアン・メイデン、モーター・ヘッド等のヘビメタ色強し。
強烈な個性をミックスすれば、たいていは失敗する。
しかし、本作は長い間マニアに愛され、ホラー史に君臨しているのだ。

冒頭のシーンから、本作の魅力は開花する。
バスに乗り遅れた観光客が殺害されるシーンだ。
こちらもキュートな女性だが、演じるは監督の娘フィオーレ。
殺人鬼に後頭部を叩きつけられ、顔面にガラスの破片が落ちる。
その割れ具合が見事で、そこから切断された生首が滝を下っていく。
生首や 白糸たぐり 眺めせしまに 
その後、その首はウジ湧くナイスな姿をマクレガー教授邸で晒すことになる。

 

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死体の腐乱加減にスポットを当てるなら、やはりプールが最強だ。
辛うじて原形を留めた肉片や骨。
頭部を這う鮮度抜群のウジ。
熟成度クラウン級の発酵汁。
そこにジェニファーを落とす発想は、アイデアマンというより精神の破綻すら疑うほどである。
しかし、これが本作の魅力のひとつであることは間違いなく、我々の中に眠るフェチの源を発掘する。

 

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満を持して登場するウジ王子の存在も、ミラクル。
造形と動きの気味悪さが、80年代ホラーを象徴するようだ。
この子の生い立ちは、ガイガー警部が訪れた精神病院から想像できる。
暴力、精神異常の遺伝。孤立感。嫉み。羨望など……。
想像力たくましい私は、殺人鬼のやるせない心情を理解してしまった。
ドロドロに汚れ、血臭漂うスイスの田舎町。
ジェニファーは、浄化を担う天使だったのかもしれない。

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感心するポイントは、他にも存在する。
大量の蝿がジェニファーを助けるシーンなど、虫の描写が秀逸。
スタッフの苦労を窺い知るシーンだ。
また、マクレガー博士の介護を務めるチンパンジー・インガが素晴らしい。
物語でも重要な役割であり、チンパンジー界のアカデミー賞必至の演技を披露する。

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2020年6月14日 (日)

本日の映画 『サタニック・ビースト 禁断の黒魔術』

『サタニック・ビースト 禁断の黒魔術』
2018年 ブラジル 監督:ロドリゴ・アラガォン

※本記事はグロテスクな表現を含みます

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「トニックウォーターをくれ」
バーテンの僕は、戸惑っている。
トニックウォーターだけか?
使途が判らず、単品で出してよいのかどうか。

男は、催促する。
「いいから、トニックウォーターだ」
客の要望には、応じなければ。

男の様子は、明らかにおかしい。
受け取った瓶を左手に持ち、自分の正面に置いた。
男の口から洩れる奇怪な言葉。
何かの呪文だろうか。
同じフレーズを繰り返し、額には汗が滲み出ている。
浮き出た太い血管は、興奮しているためか。
身体は小刻みに震え、瓶がカタカタと鳴った。

ドラッグだ。
ヤク中の人間など見たこともないが、僕は直感した。
人間、予想外のことが起きると、何もできなくなる。
僕の思考は停止し、眼だけが男の動向を見守った。

あっ。
異常に気付いた周囲の客も、同様に声を上げた。
男の頭が後ろに反り、瓶めがけて振り下ろされたのだ。
ゴツリという音が、氷のような悪寒を運んだ。

飛び交う悲鳴。
飛び散る血潮。
男の後頭部に貫通した瓶が、真っ赤に染まっている。
なぜ、瓶は割れていないのか……。
奇妙な違和感が先行し、僕の脳は状況を把握していない。

男の両手は、電流が流れたかのように痙攣している。
それでも、男の呪文はまだ続いてた。
ヤビエスラヌス、ハビエルベラモータ……。

それが悪魔を招聘する言葉だとは、後に気付くことになる。
この時はただ、漠然と感じただけだ。
地獄の門が開かれた……、と。

 

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……なんて、小説を書いちゃう梅雨の休日。
みなさん、いかがお過ごしですか?
レベルの低いホラーにありがちな、夢オチに近いオープニングにしてみました。
今回紹介する映画からインスピレーションを受けたのですが、共通項は黒魔術のみ。
かなり違う方向に仕上がりましたね。
何も考えずに創作すると、楽しいです。

 

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さて、本作のレビューに移りましょう。
監督ロドリゴ・アラガォンは、ブラジルホラーのパイオニア。
『デス・マングローブ』『シー・オブ・ザ・デッド』などのゾンビ作品が有名ですかね。
それに『吸血怪獣チュパカブラ』なんてのも手掛けてます。

ジャングル内の小さな村。
汚さ薫るゾンビやクリーチャー。
黒い血のスプラッター描写。
ちょっとしたエロス。
まあ、彼の作風は、こんなものです。
いまいち意味不明なところもあり、勝手に想像して補足する能力が必要かもしれません。
どちらかといえば、一般人には敬遠されるタイプですね。

ところが、ブラジルという土壌に育まれ、予測できない描写がマニアのツボを叩く。
特殊メイクは感心できるクオリティなので、新作出るとスルーできません。
ロドリゴ作品をはじめ、次期ホラーブームは南米が最有力!?
サンバ・オブ・ザ・デッド、よろしく!!

 

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脱線ばかりですが、本作のヒロインはクララという若き女性。
両親は不明で、人の良さそうなオジサンに育てられています。
ある日を境に、人生ガラリ。
一生分の不幸が、まとめてやってきちゃいました。
瀕死の旅人から渡された「シプリアーノの失われた書」は、地獄の扉を開くカギだったのです。
ああ、なんてHELL!!

 

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これまでの作品と違い、なんとなく垢ぬけ。
ダークファンタジー色混入ですが、期待したハチャメチャ度はナリを潜めます。
クライマックスでなんとか追い付き、特殊メイクを存分に披露。

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なんとなく過去名作へのオマージュが感じられ、たとえばエイリアンのフェイス・ハガーを思わせるチキン・ハガーが出現。
少々コミカルですね。
本で悪魔を呼び出すのは、「死霊のはらわた」でしょう。
最後の黙示録描写も、マニア向け。
直接描写ではないのですが、妊婦ネタのグロさが貴方の神経を掻き毟ります。
悪魔のベィビィ、ハイハーイ。
HELLの付け合わせには十分ですな。

 

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2020年6月 4日 (木)

本日の映画 『ブック・オブ・モンスターズ』

『ブック・オブ・モンスターズ』
2018年 アメリカ 監督:スチュワート・スパーク

*本記事は、グロテスクな表現を含みます

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オタク(またはヲタク)というものは、興味のない者には全くどうでもよい文化を創造する。
オタクが存在しなかったら、少なくともゲームやホラーは発展しなかっただろう。
いってみれば、文化の絆だ。
絆な国内のみならず、世界へと繋がっていく。

残念ながら、私のネットワークに外国人のホラーマニアはいない。
かといって、積極的に関係を築こうとも思わない。
海外マニアの、計りしれないパワーに接するのが怖いからだ。
そもそも、会話ができないという語学力問題も解決すべきなのだが……。

 

いきなり、オタク談義などを披露したのは、本作にオタク・エッセンスがたっぷり詰まっているからだ。
作品説明によると、「アメリカのホラーサイトから飛び出したB級スプラッター」とある。
これだけだと、いまいち様子がつかめない。
アメリカのホラーサイトが製作したのか。
アメリカのホラーサイトが資金提供したのか。
アメリカのホラーサイトが原作なのか。
アメリカのホラーサイト関与率を算出してくれ、エプス教授!

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で、詳細不明のまま、観賞開始。
ヒロイン・ソィー、明らかにオタクの香り。
アメリカというより北欧系のような感じを受けるが、”日本のアニメ大好きです”タイプの外見だ。
幼少の頃、母親が失踪という過去。
その時ソフィーは、只ならぬ気配を感じていた。

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成長したソフィーは、18歳の誕生日を迎える。
友人たちと誕生パーティーを開くが、嫌いなクラスメイトまでわんさかやってきて、こんなはずじゃなかったのに~と困惑。
真面目なソフィーを前に、腐った友人共は酒を飲み、ナニまで始める始末。
そこへ突如現れたモンスターたち。
腐った友人たちが次々と悪魔の餌食となっていく。
ピュー。
プシャァー。
引きづり出されるお腸夫人とローリングすっとん頭。

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ソフィーの記憶が甦る。
ワタシ、あの怪物知ってるかも……。
幼き頃、母が読んでくれた本。
その本に、秘密が隠されているのではないか。
そして、ソフィーは母の秘密を知ることに……。

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デジャヴ感は否めないものの、チープなスプラッター描写が楽しい。
予算不足ながらも、やはりマニアのツボは心得たもの。
俳優がとても18歳に見えない、という一般人のご意見が多く寄せられているが、何歳になっても16だからと歌うアイドルが日本にいることを忘れないでほしい。
クライマックスは、お約束のチェーンソー。
唸りをあげて、血飛沫飛ばせ!
おっと、今の時代、飛沫感染は要注意でさぁ。

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2020年6月 2日 (火)

本日の映画 『REC/レック4 ワールドエンド』

 『REC/レック4 ワールドエンド』
 2014年 スペイン 監督:ジャウマ・パラゲロ

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 REC1作目は、完全なるPOV(主観)作品として確固たる地位を築いたものでございます。
 POVといやぁ、『ブレアウィッチ・プロジェクト』が始祖と思っておりますが、その製作は1999年。
 RECは2007年と、実に8年の開きがある。
 ほぼ同時期かと勘違いしておりましたが、そんなことで感慨に耽るのはワタクシ含め少数のマニアだけでございましょう。

 REC1作目は、いやゆるゾンビ作品でございました。
 なかなかの出来栄えでしたが、POVというものは何度も見返すものではございません。
 良い映画は何回も見返すものですが、これは臨場感を売り物にした代償とも言えましょう。

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 前作のヒットを盾に、製作された2作目『REC/レック2』。
 通常なら、ここで脱落する可能性も大いにあるのが映画業界の常。
 それを見事に乗り切った理由は、何でございましょう。
 あまりに個人的な好みからいえば、悪魔要素を組み入れたことではないかと。
 これが数あるゾンビ群作品から、違う方向へと進み始めた兆しではなかったでしょうか。
 ちなみに、ここまではジャウマ・パラゲロとパコ・プラザの共同監督としてクレジットされています。

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 続きましての3作目『REC/レック3 リ・ジェネシス』。
 POVではなく、通常視点の作品という印象が強うございますな。
 私的には、一番好みの作品となりました。
 こちらはパコ・プラザの単独監督作品でございます。
 この感動を胸に、4作目の期待は大いに膨らんでおりました。
 着実に売り上げを伸ばす企業の決算を待つ心境。
 デイ・トレーダーなら、そう表現するやもしれない状況でした。

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 決算が発表された直後の大暴落。
 よくあることで、ございます。
 ピョーッてな、感じでしょうか。
 『なぜ?の嵐』って唱がありまして、吉沢秋絵の歌声が脳内スピーカーから流れ出します。
 ああ、私は孤独な少女。

 本作の舞台は、洋上の船。
 閉塞感ばっちりで、ホラーにはうってつけのシチュエーション。
 主人公に、1作目のテレビレポーター・アンヘラ(マニュエラ・ヴェラスコ)が復活。
 3作目までの生存者も集められて、まさに集大成ともいえる体制が整ったのでございます。

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 ところが……。
 まァ~、普通のホラー作品になっちまいました。
 悪魔要素が希釈されたのが、大きな要因でございましょうか。
 迫力は失われていないものの、オリジナルティは影を潜めてしまったのでございます。
 悪魔要素は、パコ・プラザ監督のアイデアで、パラゲロ監督はあまり歓迎していない?
 これまでの快挙を疑うような、そんな嫌ぁな空気が溢れだす始末。
 C級ホラーのようなラストに、才能は持続するとは限らないと決着。

 アンヘラさんのタンクトップだけは、眩しくて……、夏。

Rc007

 

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