本日の映画『CUB/カブ 戦慄のサマーキャンプ』
『CUB/カブ 戦慄のサマーキャンプ』
2014年 ベルギー 監督:ジョナス・ゴーファート
*本記事は、グロテスクな表現を含みます
タイトルにある『カブ』とは、何ぞや?
そういう疑問から、何気ない興味を貴方に。
そして、『戦慄のサマーキャンプ』という文言のなかに見え隠れする数々のホラー名作たちの思ひ出。
二つの要素が絡み合って観賞に踏み切った貴方に、チェルシーあげたい。
チェルシーを知らぬ者は、敢えて検索などせず、かつてそういうCMがあったとだけ理解しておれば、決して路頭に迷うことはない。
これは、極めて感覚的なことなのだ。
甘く、それに螺旋上に絡む酸味は、まるで思春期のよう。
少年から大人に変わる……。
まるで壊れかけの何某かのようだ。
本作は、本来であれば甘酸っぱい時期に最後の子供イズムを燃やすべき少年が、正反対のヘル・ボトムへと落下する内容である。
サムは、どことなく影のある少年。
クリス隊長率いるカブスカウトのキャンプに参加するが、副長からは何となく疎んじられていた。
カッスルロケという地でキャンプは行われる予定だったが、問題が発生。
一行は、別の場所でキャンプを始める。
隊長等は、子供たちを怖がらせるために、作り話を披露する。
そこにはカイという少年が住んでおり、夜になると狼人間に変化するというのだ。
これを聞いたサムはカイを強く意識し、キャンプでも規律から外れた行動に出てしまう。
やがて、サムの前に異様な少年が姿を現し……。
少しばかり違和感を感じる作風は、ベルギー産のオリジナルティと捉えられます。
全体のバランスや、緊張感の盛り上げ方が巧いなあと思っていたら、2014年シッチェス映画祭の最優秀監督賞に輝いたとか。
正直、特殊メイク、グロテスクな画など特筆すべきものはないものの、それをカバーするアイデアが随所に見られます。
・ハチの巣アロー
・犬のリンチ
・子どもたちのいるテントにトラック突入
・大木クロスフォール
など、リアルな映像にすれば日本人の倫理観が黙っちゃいないヤバ系演出が随所にズっころばし。

サカリに目覚めたカイの行動は、本能と物悲しさを併せ持つ歪んだ成育の証。
『13日の金曜日』『バーニング』のようなスラッシャーを期待していたら、違う意味で感心できる作品と言えましょう。
単なるビジュアルにこだわらず、少し考えるタイプの方向きかもしれません。
ちなみに、タイトルの『カブ』。
ボーイスカウトの中の、とある年齢層を指す意味で使われているようです。
そして、クマやキツネなどの動物の子供を意味する言葉でもあります。
本作の原題は『WELP』ですが、邦題の方が作品内容とマッチし、奥深さを感じます。
狙ったのだとしたら、卓越したセンスですね。
いずれにしても、単なる低級ホラーと捉えるのは浅薄で、いろいろな想いが隠されている気がします。
少年よ、プレイボーイを抱け!
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