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2016年9月

2016年9月21日 (水)

本日の映画 『クリスマスまで開けないで』

 『クリスマスまで開けないで』
 1984年 イギリス 監督:エドマンド・パードム

 *本記事は、グロテスクな表現を含みます

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 表があれば裏がある訳で、聖なる夜が生々しい男女の営みベストデイと勘違いする輩もいたりする。
 そういう世の中に渇を入れたかった訳でもなかろうが、天邪鬼発想がこういうジャンルの作品を生み出しているという事実を我々は認識しておくべきである。

 けがれを知らぬ子供たちに、夢を配る職業。
 ザ・サンタ。
 世界中に、その名を知らぬものはいないだろう。
 しかし、ここで冷静に考えてみよう。

 僕は、大きくなったらサンタになりたい。
 私は、サンタのお嫁になるわ。
 そういう言葉を、貴方は子供から聞いたことがあるか。
 あるかも知れないが、それは少数意見だろう。

 思うに、子供たちはサンタという人間を超越した存在を、自然と区別しているのだろう。
 それは、神の一種に近い存在かもしれない。
 だから、自らそれになろうと考えたり、嫁に行こうなどとは考えられないのである。

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 本作のサンタに目を向けてみよう。
 本作は、紛れもないホラーである。
 ホラーであるから、人が死ぬ。
 犠牲者は、サンタに扮した人間である。
 クリスマス、町はサンタでいっぱいだ。
 超越的な存在のコスプレを、軽々しくしやがって。
 犯人の怒りは、宗教的なものか?
 次々にサンタに扮した人間が、とてつもない残酷な死に方をしていく。

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 後頭部から口中への槍貫通。
 顔面バーベキュー。
 至近距離から口中への弾丸発射。
 放尿中のティンコ、カミソリ・カット。

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 犯人の目的は?
 親父を殺されたヒロインと、捜査を進める警部が犯人を追いつめていく。
 そして、予想だにしなかった怒涛のラストは、まさに80年代に埋蔵された地雷が爆発したかのような衝撃。

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 聞くところによると、監督エドマンド・パードムはカルト作『ブラッド・ピーセス』に学長として出演していたという。(『ブラッド・ピーセス』は、本ブログでもレビュー済)
 おそらくは、その時に深い感銘を受けたのだろう。
 まちがいなく『ブラッド~』と同じようなテイストが、全体的に施されている。

 あまり必要性のないお色気シーンも豊富で、イエス・サンタッ!!の掛け声必至。
 サスペンスとセクシー、そしてスプラッター。
 不思議とB級要素を多数装備し、奇跡のホア作品(アホの反対。一般人にはどうしようもない内容だが、マニアにはその逆)を堪能しよう。

 イエス、サンタッ!!!

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2016年9月19日 (月)

本日の映画 『残穢 住んではいけない部屋』

 『残穢 住んではいけない部屋』
 2015年 日本 監督:中村義洋

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 前回の記事更新から、また時間が経ってしまいました。
 夏はホラーというけれど、クーラーのない私の部屋はDVD観るのも我慢大会のごとし。
 滴り落ちる汗は、背筋の凍る映画を見ても止まりません。
 自ずとホラーから遠ざかり、ここ1、2カ月は今更ながら『ER 緊急救命室』にハマっていた次第であります。
 既にシーズン5を終えた観賞スピードは過去最速で、死ぬ瞬間に思い出すであろう映像作品の最有力候補といっても過言ではありません。
 しかし、ERのファイナルはシーズン14。
 とりあえず、フェバリット・キャラのダグが去っってしまったので、ホラーに戻る事にしましょう。

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 さて、本作。
 原作は、小野不由美氏の小説。
 私の読書領域ではよく聞く作家さんです。
 
 プロモーションから感じ取れた感想は、ホラーらしいがジャンルが曖昧。
 バリバリのホラーなのか。
 それとも、ミステリーなのか。
 CM観ても微妙で、結局のところ観てみなければ話にならない。
 作品観賞後だから言うけれど、確かにプロモーションが難しい作品であります。

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 雑誌の企画で、実話怪談も手掛ける作家の『私』(竹内結子)。
 女子大学生・久保(橋本愛)からの手紙に興味を持った。
 一人暮らしのために借りたマンションの部屋に、違和感を覚えるという。
 何度か連絡を取りあっているうちに、『私』はその部屋の過去に触れていく。
 何故、その現象は起きるのか。
 何かの祟り?
 呪い?
 死者の魂が、現在もその場に留まっている?
 調査が進むたびに浮かび上がる驚愕の真実。
 闇の歴史の原点とは?

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 という感じの内容です。
 まずは、静かで微妙なセンスを醸し出す竹内結子さんのキャラがツボ。
 どこか冷めたようで、理知的で、作品雰囲気作りの重要なファクターですね。
 そのパートナーとして橋本愛さんもベスト・マッチしています。

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 全体的には『実話怪談』がテーマと見受けました。
 実際、怪談雑誌『幽』編集部の名がエンドロールで出ていますし、『私』の協力者として登場する平岡芳明は怪談界で高名な平山夢明氏、三澤徹夫は福澤徹三氏であるとピンときます。
 

 私も素人ながら『幽』ホームページの創作怪談に寄稿し、2作だけ掲載していただきました。
 正直、私的には怪談界に足を踏み入れるには未熟の域ですが、知識のある方はニヤリとする箇所も多いはず。

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 Jホラーはどうしても『リング』や『呪怨』と比較される傾向がありますが、本作は別物と考えたほうが良いでしょう。
 連鎖的な部分、過去の関連など、連想してしまう箇所がない訳ではありませんが、巧く違うベクトルに流しています。
 なにより、ビジュアル的な怖さに重きを置かず、かつ産毛が逆立つ程度の恐怖感を盛り込んだ点は、監督のセンスが光ったのでしょうか。

 逆をいえば、怖さが不足しているという感想を導きかねない危うさがあります。
 私的には、本作を怪談の発生源追求ルポとして楽しみました。
 視覚的恐怖も期待したい気もしますが、全体的なバランスを考慮すれば現状がベストかもしれません。

 
 

 

 
 
 

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