本日の映画 『リンク』
『リンク』
1986年 イギリス 監督:リチャード・フランクリン
誰かこの猿を止めろ!

DVDジャケットにこのようなキャッチコピーが書かれていれば、私のような人間はスルーするわけにはいかない。
マニア心をくすぐるメーカーさんに、まずは軍配があがる。
本年は、申年。
新春一発目のレビューには、やはり猿に関連した作品が相応しい。
猿が印象的な作品といえば、やはり『フェノミナ』。
かの作品でのチンパンの役割は、重要であった。
しかし『フェノミナ』のレビューは、既に掲載済み。
対象外である。
他に猿が関わる作品はないか?
『猿の惑星』は有名だが、ホラーではない。
次に思い浮かんだのは、「右折だ、クライド!」の台詞が忘れられない『ダーティ・ファイター』。
クリント・イーストウッドとオランウータンの異色コンビという、今では仰天級の喧嘩作品だ。
しかしこれも、ますますホラーから逸脱する。
ようやく辿りついたのが本作、『リンク』である。
本作は、幾つかの映画本によってその存在が伝えられていた。
ジョジョの作者荒木飛呂彦氏も、著書『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』で本作を取り上げ、ヒロインであるエリザベス・シューの魅力に言及している。
カルト的な人気が継続し、近年DVDも奇跡の発売。
これによって、現代でも視聴は比較的容易になった。
まさに2016年オープニングを飾るに相応しい作品といえよう。
さて、物語について。
エリザベス・シュー演じるは、ヒロイン・ジェーン。
アメリカからロンドンに留学しているという設定。
霊長類研究の権威フィリップ教授のアシスタントとして、アルバイトが決定。
博士は人里離れた一軒家に住んでいた。
チンパンジーのインプとブードゥー。
そして、最もIQの高いオランウータンのリンク。
研究のため、3匹の猿を飼育していた教授。
その環境にすぐ溶け込むジェーンだったが、博士の猿たちへの接し方に疑問を持つことも。
そして、博士は忽然と姿を消す。
博士の車も消えていたことから、用事で出かけたのだろう。
家の周囲には野犬がいて、車がなければ町へ戻る事はできない。
仕方なく、ジェーンは博士の帰りを待つことに。
何となく流れる不穏な空気。
リンクの、ジェーンに対する態度がどことなくおかしい。
そのような折、ジェーンは戸棚に隠されていたブードゥーの死体を発見。
何かの事件が起きたことに気づく。
博士を探しに、覚悟を決めて家を出るジェーンだったが……。
…という感じ。
正直、サスペンス感や恐怖感が優れているとは思えない。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽も独特な雰囲気で、なんとなく明るさを醸し出す。
ヒロインであるエリザベス・シューのキュートさ。
そして最大のウリである猿たちの演技が本作の2大柱であろう。
DVDジャケットの表現を借りるならば、
”ヒッチコック「鳥」のアニマルトレーナーが魅せる圧巻のチンパンジーの演技”。
この言葉に、何ら偽りはない。
できればメイキングが観たいと思うほど、その仕事の完成度は高い。
インプを演じたチンパンジー。
リンクを演じたオランウータン。
果ては野犬のクレイジーさまで、かのトレーナーの功績が見受けられる。
是非動物たちの喜怒哀楽に注目してもらいたい。
映画本でも取り上げられていたが、ジェーンのシャワーシーンはB級遺産認定級。
猿の前だから気にしないで全裸になったものの、それを眺めるリンクの視線はエロサイトにはまる中年親父のよう。
ジェーンとリンクの表情の対比が、絶妙な間で描写されるのだ。
そして、何ともいえぬ複雑な気持ちになるラスト。
鑑賞後でも整理のつかない心情が、貴方の脳内にクラウドを作るはず。
申年にこそ、鑑賞する価値のある作品かもしれない。
*余談ながら、ヒロインを演じたエリザベス・シューは、ニコラス刑事(この変換、ウケ狙い
)主演の『リービング・ラスベガス』に出演。
観賞時は映画初心者だったので、女優さんの名前すらチェックしていなかった。
ラスベガス旅行前に楽しいイメージを作ろうとして鑑賞したのだけれど、内容はそれとは正反対。
精神ダメージを受け、ツレと一緒に鑑賞しなくて良かったと心底思えた作品だった。
『リンク』を先に観ていたら、キュートなシューとのギャップにもっとダメージを受けた可能性があったかもしれない。
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