本日の映画 『ジョーズ・リターン』
『ジョーズ・リターン』
2012年 アメリカ 監督:ジョン・シェップハード
ここ最近、身体のリズムに狂いが生じたようで、午後2~3時と帰宅後ご飯を食べた後は猛烈な睡魔に襲われています。
会社では様々なテクを駆使して、同僚に悟られない居眠りを実践。
自分でいうのも何ですが、考えるフリしてチョイ寝&人が話しかけると則、覚醒の技術は世界レベルに達しています。
まあ、バレている可能性も高いのだけれど、貢献度の高い伯爵は御咎めなし。
仕事デキなければ、左遷候補筆頭間違いなしだな。
せっかく早く帰宅しても、1本の映画を観るどころか、ネットを見ているだけでスリープ・アタック到来。
モニター前で頭ガックンを繰り返し、首がヤベェ状態に。
現在、首の筋力鍛えているんスよ、マジで。
さて、本作。
邦題にジョーズの冠があるけれど、これがあのスピルバーグ監督の超有名作品に関連していると思う人は少ないでしょう。
ただレンタルDVDのサイト・レビューを参考にすると、実際にはそういうB級免疫を持たない方もいるようで、総じて本作をつまらないの一言で両断したりする訳です。
伯爵としては、この手の作品は初めから期待などせず、何かプラスの要素を見いだせればそれで良いという観点に立っています。
過剰な期待を余所に、製作陣の仕掛けたポイントをいかに理解するか。
時には必要以上に美化してしまうこともあり、製作側の意図を超えた解釈で感動したりもします。
自分でいうのも何ですが、伯爵みたいな観客が多ければ低級映画はもっと発展するでしょうね。
前置きばかりが長くなりまして、ようやく物語へと話を移します。
冒頭で表示される『SyFyプレゼンツ 』で、作品の方向性が判ります。
まともでない演出。
何となく癖になるユルさ。
大胆かつチープなCG。
そう、この時点で本作は鮫の恐怖を描こうというホラーではなく、ユルい笑いを狙ったホラー&プチコメディだと主張したのです。
マジでジョーズ目当ての観客様、ここで気付くべきだよ。
チーン。
いきなりインパクト大な姉ちゃん登場。
主人公・ミスターTC(複雑という意味らしい)の部屋に現れ、何やらエキサイト状態。
TCの隣には半裸のギャルが寝息を立てている……。
慌てるTC。
インパクト姉ちゃんと恋人だったが、最近別れたという設定だ。
お互い未練はあるらしいが、インパクト姉ちゃんの怒りは燃え上がる。
以後、TCと姉ちゃんの、どうでも良い恋の行方が本作の一テーマになるのだった。
TCらの住むタウンは、ニュージャージー州のどこか。
あまり大きな町ではないらしく、『ドーラン・ビーチクラブ&スパ』の建設を皮切りに、高級リゾート地として売り出そうという権力者がいる。
御約束の、工事は予定より大幅遅延。
権力者の苛々は最大限に達し、スピードアップを指示。
海底に支柱の杭打ち(データ偽造が気になりますな)を実施し、その振動が海底に潜んでいたアルビノ鮫群を誘う結果となった。
町は、独立記念日の祝祭ムード。
美女の白いTシャツに、水鉄砲をかけてスカすイベントで大盛り上がり。
しかし、彼らは知らなかった。
凶悪なアルビノ人喰い鮫の大群がすぐ近くまで来ていることを。
貴方は、ジャージー鮫襲撃事件の真相を目の当たりにする。
初めに断っておきますが、確かに一般人が視聴しても面白い作品とは言えない気がします。
まず、主人公・ミスターTCのルックスが微妙。
私的感覚で表現するならば、出川さんとジャン・クロード・バンダムが交差点でゴッツンコ。
うわゎ、俺がアイツで、アイツが俺で的ビジュアルです。
何故かイタリア系で、当然仲間もイタリー。
更にボディービル系というレア設定。
彼らが、金持ちボンボンのアメリカ人と小競り合いをしていきます。
もしかしたら、ニュージャージーはイタリア移民が多いのでしょうか?
ヒロインにも、驚きを隠せません。
日本のガン黒ギャルを連想させるようなメイク。
ほとんど水着でセクシーさを強調しますが、私自身は『萌えてな~い』。
(ここんとこ、某カミソリのCM風に御願いします)
何故、こんな人がヒロインなんだろう。
大抵の方は、そう感じるはずです。
そして、大抵の方はその疑問を放置してしまうのです。
一歩、考え方を変えてみましょう。
ひょっとしたら、彼女は何か特別な存在ではないか。
例えば、監督の娘ではないか?
プロデューサーの愛人ではないか?
疑問を持ったら、即インべスティゲート
彼女の名前は、メリッサ・モリナロ。
実は本作のエンドロールに流れる『TOUCH ME』のシンガーでした。
非常に声が良く、CD購入を検討したりなんかして。
MVも視てみましたが、紛れもなく彼女でした。
やはりSyFy、小技を効かせてきます。
アメリカンなら理解できる小技は、他にも見ることができます。
独立記念日のビッグ・イベントであるジョーイ・ファトーンのライブ。
元インシンクのメンバーとのことですが、伯爵には全く知識がありませんでした。
調べてみると、これは実在のグループで、ジョーイ自身も本人です。
ビッグ・ゲストながら鼻糞のような扱いは、『モンスター』に見られたアリス・クーパーと全く同様。
思うに、SyFyパターンというのが構築されているようです。
・あまりメジャーでないロケ地
・ヌルい演出
・あからさまなCG
・ありえねー演出(本作では、サメの突進で観覧車が転倒)
・それなりに名が知れたゲストの悪ノリ
寅さんのような王道パターンを刻み、低級ホラーの新勢力として台頭していることは間違いありません。
本作は、テレビ用ムービーなので、グロい演出は少なめとなっています。
鮫退治の方法もヒネリがありませんし、CGが激甘のために鮫本来の怖さも描き切れておりません。
しかるに、全編を通して嫌悪感を抱かない品質は、やはりそれなりの計算が組み込まれているからでしょう。
ご当地だからウケるネタ・素材であるがために、日本でのヒットは期待できないと言っておきましょう。
最後に、低級映画遺産に残したい名セリフをひとつ。
『俺だって、アソコの毛がよだつようなサメの話を知っている……』
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