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2015年7月

2015年7月21日 (火)

本日の映画 『呪(のろい)』

 『呪(のろい)』
 2013年 カナダ 監督:スティーヴン・R・モンロー

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 ついに気温が30度を超えてきました。
 自然をこよなく愛する私は、クーラーなぞに頼らない。
 決して貧乏な訳ではなく、ケチな訳でもありません。
 主義でやっているのですよ、主義でcoldsweats02

 だから、夏場のDVD鑑賞は、かなり風の具合に左右されます。
 風が窓から吹き込まなければ、さあ大変。
 顔から汗が吹き出し、20分毎に顔をウオッシュせねばなりませぬ。
 家の者や近所に配慮して(ホラーは悲鳴が多いので)、音声はヘッドフォンを着用。
 耳に汗がたまるわ~、汗が!!!

 ……というわけで、夏場は風が吹いた時だけレビューが公開されます。
 悪しからず。

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 女子大生マイコの元に、実の母からの手紙と遺品が届いた。
 マイコは4歳にして養子となり、カナダへと移住していたのだ。
 実母は自殺したらしく、遺体も発見されていない。
 マイコは短期交換留学で日本を訪れ、仲間たちと母の供養をすることにした。
 その様子は、ドキュメンタリーとして製作する予定だった。

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 母が命を絶ったのは、青木ケ原の樹海。
 自殺の名所と言われる地で、マイコらの撮影は開始された。
 途中で出会った日本人ジンに案内を頼み、マイコらは母の自殺現場を探す。
 しかし、知人らの仕掛けたイタズラが、死者を冒涜。
 樹海は、その空気を一変させる。

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 メンバーに迫りくる不可解な現象。
 死者への冒涜が、許されぬ怒りを買ったのだ。
 そして、マイコは実母の死の真相を知る……。

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 Jホラーにインスパイアされた外国人が作りました的作品。
 ディテールはかなり問題あるものの、私的には予想以上にマトモな作りだったので驚きました。
 とはいっても、一般的にはあまり評価されていないようで、ちょっと残念。

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 ヒロイン・マイコを演じるケイトリン・リーヴさんは、外見的に整った顔立ちで、しっかり日系の趣も兼ね備えております。
 まあ、配役としては成功ですね。
 難点は、日本語が堪能ではないところ。
 クライマックスで「お母さん!!」と日本語で話すのですが、「オカチャン!!」と聞こえてしまいます。
 私の元同僚に岡村さんという方がいて、「オカチャン」と呼ばれておりました。
 ええ、もちろん余談ですけど……。

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 他にも、日本の描写で変なところは数多くあります。
 たとえば、日本の警官。
 日本語がカタコト過ぎて、違和感ありあり。
 ヒロインを逮捕する手段にスタンガン利用してますし、遺体と一緒に拘留するという暴挙に出てしまいました。
 パトカーも、明らかに変。
 そのくせ、樹海に掲げられた「全員死ぬ」などの呪いの文は、綺麗な日本語で書かれています。
 この違和感探しが、本作を楽しむための一つの方法かもしれません。

 本作は、どうやら劇場用映画でなく、テレビ用映画のようです。
 そのためか、多少のブラッディさはあるものの、ゴア度はかなり低めです。
 ただ、クライマックスは、私的には十分な価値あり。
 Jホラーを徹底的にアメリカ(カナダ)ナイズドした描写は、マニアに訴えかけるものがあるでしょう。

 正直、オチにはちょっとガッカリ。
 けれど、どんでん返し的ストーリー構成もあり、外国人にはウケそうな気がします。

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 舞台は富士の樹海。
 ただし、ロケは日本ではないと思われます。
 また、ヒロインたちが短期留学している大学が「山梨国際大学」。
 供養を「施餓鬼」というなど、もっともらしい描写も興味深いところ。
 樹海を走り抜ける着物姿の女。
 結構、様になっています。
 そして今の季節は、サマー。

 
 

 

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2015年7月19日 (日)

本日の映画 『ドラゴン・ガール』

『ドラゴン・ガール』
2014年 ブルネイ 監督:シティ・カマルディン

*本記事は、かなりネタバレの内容になっております

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 本作のジャケットを見れば、かなりのショボサを感じとることができます。
 低級映画を目の敵にするハイソな方々は、まずスルーすること間違いなし。
 かくいう私も、スルー寸前でした。
 にもかかわらず鑑賞した理由は、題材が東南アジアの格闘技『シラット』だからです。
 シラットといえば、イコ・ウワイス主演の『ザ・レイド』が有名ですが、私はそれ以前にリリースされた『タイガー・キッド 旅立ちの鉄拳』から注目。

 格闘映画マニアとして、感動の涙を流した作品でした。
 もしかしたら……!?
 本作もスゲェ作品かもしれません。
 その可能性が1000分の1であったとしても、0でない限り私の意思は揺るがないのです。

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 主人公ヤスミンは、父との二人暮らし。
 母親は事故で既に他界している。
 まずまずの父娘関係だったが、娘も思春期を迎え、微妙にその関係に変化が見え始めていた。

 ヤスミンの憧れは、幼馴染みのアディ。
 彼はシラットの全国大会で優勝し、町の英雄として凱旋していた。
 友人の協力もあって、ヤスミンはアディと再会。
 しかし、アディはヤスミンの同級生・デウイと親しいことが判明。
 止められぬアディへの想い。
 彼の気を惹くには、私もシラットを学ぶしかないわッ!!
 ヤスミンは、自分の通う高校の、シラット部の門を叩く。

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 部員は、ヤスミンの他にアリとナディアのわずか3名のみ。
 顧問の先生は、口先だけ達者で、一向にシラットの技術を指導してくれない。
 それでも、和気あいあいと活動するヤスミンたち。
 地区大会に出場し、なんとか初戦を突破するも、自分たちの力不足は明白だった。

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 ヤスミンには、もうひとつ問題があった。
 父親が、シラットを習うことに猛反対しているからだ。
 どうにか説得するも、この事は後に大きな火種となってしまう。

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 ようやく、自分たちの師範となるべく人物を探し当てたヤスミンたち。
 ジャマル師範は車イス利用の不自由な身体ながら、指導方法は的確だった。
 腕を上げた三人の、快進撃が続く。
 それと共に、ヤスミンの願いどおりのことが起こった。
 急速にヤスミンとアディの距離が縮まっていく。
 目標が達成され、自ずと離れていくチームへの想い。
 とうとうヤスミンは仲間に嘘までついて、練習をさぼってしまった。
 知らず知らず、ヤスミンは自己中まっしぐらの道を歩んでいく

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 勝ち進んでいた試合も、次第に相手は強敵となっていた。
 特に恋敵デウイの実力を思い知ったヤスミンは、もっと攻撃的な技を熱望するようになる。

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 ジャマル師範に断られたヤスミンは、人知れず別の人物に弟子入りした。
 その人物とは、闇の武術家と呼ばれる、破壊的な技の持ち主だった。
 相手の破壊だけを目的とする技。
 それは時を遡り、父やジャマル師範をも巻き込んだ因縁であることをヤスミンは知らない。
 ヤスミンは新たな技とともに試合に向かうが……。

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 ジージャーのシラット版かと予想していましたが、全く違う内容でした。
 どちらかといえば、学園青春映画に分類できます。
 そのため、壮絶なバトル・アクションは期待しない方が良いでしょう。
 アクションだけなら、イコ・ウワイスに任せておいた方が間違いありません。

 前半もヌルい展開で、これは外したかな?と思っていたら、後半に持ち直しました。
 ブルネイ映画は初めて鑑賞しますが、ストーリーに丁寧さが見られます。
 あるデータでは、本作はブルネイ・インドネシア共作となっています。
 なるほど、インドネシアが絡んでいるのであれば、この丁寧さは頷けます。

 格闘映画にありがちな、復讐といった要素が少ない分、爽快感などはどうしても割引。
 ですが、シラットへの愛着や健全さなどは、確実に伝わってきます。
 未熟さからの成長がテーマの為、ヒロインもかなり現代っ子風に描かれていて、これも他作とは一線を画す特徴の一つ。

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 ショボいと思って観ると、意外な奥深さを味わうことができます。
 私的にお勧めは、親父さんがシラットの技を披露するシーン。
 両の拳で同時に突く必殺技で、ヤスミンのツリー・ハウスが倒壊。
 『私は、シラットを熟知している……』の台詞に、震えがきましたよ。
 それでは皆様、おヤスミン…。
 

 

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2015年7月12日 (日)

本日の映画 『殺人魚獣ヘビッシュ』

『殺人魚獣ヘビッシュ』
2014年 アメリカ 監督:ドン・E・ファンルロイ

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 明らかに低級な邦題ですが、何となく惹かれてしまう。
 そんな言葉のマジックに、コピーライトの大切さを再確認する梅雨の休日。
 森羅万象、全てにおいて学ぶべき事は隠されている。
 『シュッ』という響きは、低級ホラーに向いているのではないか。

 動物の和名+『シュ』で考えれば、面白いネタになりそうな気がしてきた。 
 『殺人突進!イノッシュ(猪)』
 『殺人鳥群 カラッシュ(鴉)』
 『殺人虫群 ゲジッシュ(ゲジゲジ)』
 う~ん、いまいちシックリこないか……。

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 さて、本作。
 主人公は、元カノが結婚してしまって、なんとな~く複雑な心境のクリスが主人公。
 幼馴染みのアシュリーが気遣って、気晴らしに仲間でボート遊びに。
 ブラックブライア公園の湿地帯で、バカンスって寸法さ。

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 一方、この付近を通りがかった運搬車両。
 ちょっとしたアクシデントが、世にも恐ろしい結果をもたらす。
 運転手は知らなかったが、遺伝子操作された謎の生命体が積荷だったのだ。
 車両の事故で、怪物は公園の沼に放たれることに!!

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 それは異常な食欲で巨大化し、強い繁殖力で増えていく。
 次々に犠牲となる住民たち。
 やがて、怪物はクリスらの乗った船をも襲撃する。
 はたして、彼らの運命はいかに。

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 SONYピクチャーズの文字を発見し、比較的まともな品質かと期待しましたが、実際はかなり甘納豆な作品です。
 基本筋は、怪物との闘いを通してクリスが成長を遂げる話。
 崩壊寸前のクリス家の再生(母親は公園に取締官。父親は生物学者)、幼馴染みとの恋の芽生えなどを盛り込み、綺麗ごとで締めようというA級よりの野望が見え隠れ。
 脚本的には、会社の上層部が喜びそうな仕様になっています。

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 単なる遺伝子操作怪物くんに留まらない意気込みも、しっかり伝わります。
 何かの怪しげな儀式を行う人物。
 墓を暴き、『ここには、いなかったのか』という意味深な発言。
 旧来、この地に伝わる呪いの伝説と、密接な関係がありそうです。
 全てが一つのリングとなった時、本作は傑作の称号を得られたかもしれません。
 しかし、そうそう傑作が生まれないのがB級ワールド。
 残念。無念。僕、珍念。
 本作の舞台である沼のごとく、それは全てを呑みこんでしまうのでした。

 本作にダメ出しをする大きな要因として、怪物の演出方法が挙げられます。
 かなり雑なデザイン。
 CG合成はかなりヌルく、緊迫感のかけらも生みません。
 人が怪物に食われるシーンも、ゴア演出なし。

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 クリスのは母親であるハーディン取締官には、やはり『ジョーズ』でみせたロイ・シャイダーのような役割を期待してしまいますが、終わってみれば大した活躍はありませんでした。
 フルオートで銃をぶっ放したマージ婆さんの方が、よっぽど印象に残ります。

 唯一の救いは、ヒロイン・アシュリーでしょう。
 セクシーというキャラではありませんが、あっけらかんとした性格と健康的という面で特徴があります。
 青春ドラマで人気の出そうな女優さんですね。

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