本日の映画 『ビヨンド・ザ・ダークネス 嗜肉の愛』
『ビヨンド・ザ・ダークネス 嗜肉の愛』
1979年 イタリア 監督:ジョー・ダマト
*本記事は、グロテスクな表現を含みます
本作も、マニアには有名と思われるカルト作。
1979年製作ながら、なかなかにエグい場面が用意されていました。
イタリアンなホラーは、エロ・グロの指向が強いですが、本作もその特性は顕在。
当時は、かなり衝撃作だったのでは!?なんて思っちゃいます。
青年フランクは、親の遺産を受け継ぎ、郊外の邸宅に家政婦と住んでいる。
彼にはアンナという恋人がいるが、病床に伏していた。
秘かにフランクに想いを寄せる中年家政婦アイリスは、アンナの存在を消そうと呪師のもとを訪れ、望みを叶えてしまう。
アンナの死を受け入れられないフランク。
葬儀の夜、埋葬されたアンナの死体を盗み出してしまう。
剥製作りの知識を活かし、死体に防腐処理を施して、アンナの遺体をベッドに寝かせた。
遺体運搬の途中に拾ったヒッチハイカーに現場を見られたが、口封じに殺害。
その様子を目撃していたアイリスは、淡々と死体を解体し、証拠隠滅を図る。

フランクのベッドには、常にアンナの遺体が横たわっている。
突然の別離に気持ちは整理できず、喪失感と愛おしさが複雑に交差する。
フランクの精神は、崩壊の一途を辿る。
アイリスの慰めを受ける一方で、アンナへの想いも強くなる。
若い女性を家に招き、アンナの遺体の横で抱き合うフランク。
時折アンナに視線を投げながら、彼女との性交を思い描いての行為だった。
女性に気付かれてしまうと、口封じにまたも殺害。
再び、アイリスと証拠隠滅の行動を繰り返す。
アイリスと結婚するに至ったフランクだが、アンナへの想いは変わらない。
しかし、彼に疑惑の目を向ける者もあった。
彼の罪を暴こうと、証拠を集める男。
フランクは、それに気付かない。
そのような矢先、フランク宅に予想外の人物が訪れる。
それは、アンナとそっくりな妹、エレナだった。

愛し過ぎちゃったが故の、ドロドロ愛憎劇。
一言でいえば、そんな物語です。
フランクの愛、アイリスの愛。
それが発端で、人が死んで、グログロな事象が起きて、皆が破滅。
ラヴ イズ オーヴァー。
それでも愛は素晴らしい?
監督は、イタリア職人系監督のジョー・ダマト。
エロ・グロ・ナンセンス職人のような方らしいのですが、マニア向けのアイデアは十分に評価できます。
途中数か所、同種の演出を他作で観た気がして、調べてみたら『ブラッド・ピーセス』の監督でした。
『ブラッド・ピーセス』の原点的作品ともいえるでしょう。
印象に残るシーンは随所に。
アンナの遺体を剥製にするシーンでは、腹部の内臓抜き取り。
内臓は結構リアルで、動物のものでも使っているのかな~って印象。
心臓を取り出したら、あまりの愛おしさにガブリ。
しっ、心臓食べとる![]()
動脈から、残っていた血がピュッと吹き出して、ビビるフランク。
むぅ、これって究極の愛かもしれん。
なんて思っていると、今度は鼻にチューブ突き刺して、何かを抜いとる。
なんや、何をしているんや?
管の中をピンクのシェークみたいなものが流れ、バケツにボトボト落ちる。
しょえ~、脳みそ抜いとるんか!!
お初のシーンに驚きとリスペクトが同時に訪れ、本作の凄さを徐々に感じる休日の朝。
続いての餌食は、ポッチャリKY(空気読めない)のヒッチハイカー。
飛んで火に入るおデブちゃん。
フランクの剥製作りを目撃し、恐怖でパニック。
普通は逃げようとするが、何故か逆上してフランクの首を絞めて殺害しようとする。
しかし、所詮は女の力。
逆上したフランクに両手の指爪を全てペンチで剥離され、後に死亡。
死体処理のためにバスタブに硫酸をナミナミと注ぎ、髑髏が浮かぶ地獄風呂が完成。
処理後、アイリスは平然と煮込み料理を食するが、それが溶解した肉片を彷彿させて、世にも悪趣味な逆グルメシーンが披露される。
その後幾つかの恐怖シーンを経て、やはりショッキングなラストへと突入。
アンナにそっくりなエレナの存在には、さすがにアイリスも動揺せざるを得なかった。
いくら愛情を注ごうが、アンナは既に死んでいる。
しかし、今後はフランクの心がエレナに移っていくに違いない。
早々にエレナ殺害を目論むアイリスだったが、フランクはそのことに気付いていた。
エレナを殺させはしない。
アイリスと対峙するフランク。
壮絶な戦いが繰り広げられ、フランクは片目を抉られながらも、アイリスの喉笛を噛み切って勝利する。
しかし、フランクの受けた傷も、あまりに深いものであった。
アンナへの想いと共に、フランクの運命は終わりを告げる。
過激で悪趣味なシーン多発警報。
されど、なんとなく憎めない。
それどころか、ある意味これはフランクの純愛でもあり、倒錯した愛でもある。
この多様性によって、単なるグロバカ映画とはいえない何かを持ち得てしまったのではないでしょうか。




























