本日の映画 『拳陣 FATAL CONTACT』
『拳陣 FATAL CONTACT』
2006年 香港 監督:デニス・ロー
久し振りの、格闘映画レビューです。
このジャンルは、ホラーに比べてリリース数も圧倒的に少なく、ファンも少ないようですね。
私はホラーよりも愛着があるジャンルですけれど。
大陸から香港にやってきて、細々と興行を続ける京劇一座。
その中にカンフー全国大会のチャンピオン、ゴウゴンもいた。
ある日、ヤバい連中がゴウゴンの元を訪れ、地下ボクシングの誘いをかける。
全く応じないゴウゴンだったが、同僚のティンが急接近したことから、次第にゴウゴンの心境に変化が生じる。
デートをしても、互いの貧しさを再認識してしまう香港の地。
貧乏を嫌い、生活の変化を求めるティン。
一試合だけなら……。
そう思って参加した闇の賭博試合。
ゴンゴンは快勝し、手元にはファイトマネーが残った。
予想外の報酬は、彼を次なる試合へと駆り立てる。
次々と組まれる試合。
相手のレベルは上がるものの、勝ち続けるゴウゴン。
やがて別の組織も巻き込み、いつしか巨額の金がゴウゴンを巡って動くように。
もはや、ゴウゴンの意志だけではどうにもならない状態が出来上がってしまった。
対立する組織の諍いに巻き込まれ、黒い渦に巻き込まれていく二人。
ティンとの幸せな暮らしを夢見るゴウゴンだったが、思いもよらぬ結末が彼に訪れる。
原題は『黒拳』。
こちらの方が、内容を上手く表現しています。
大陸出身の純朴な青年が、次第に闇の世界にどっぷりつ浸かっていく。
このイメージに、主演のウー・ジンはピッタリ。
他にもヒロインのティンや隊長を演じるロナルド・チェンなど、配役が見事に思えます。
ウー・ジンなので、カンフー・アクションは安心レベルのクオリティ。
強烈に心に残るバトルはなかったものの、カンフーの魅力は十分。
それと対比になるのが、クライマックスの殴りこみシーン。
武術が暴力へと成り下がる描写は、本作のテーマを見事に表現しています。
また、隊長との比較も興味深く、これが余韻を残しますね。
他作に比べて、本作の後味が悪過ぎ。
けれど、その分の余韻も多くの残ります。
これは、やはりウー・ジンの魅力ではないかと思いますね。
ラストへの急転直下がやや急ぎ過ぎのような気もしますが、そこは香港映画なのでしょうがないかも。
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