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2013年5月

2013年5月25日 (土)

本日の映画 『口裂け女リターンズ』

『口裂け女リターンズ』
2012年 日本 監督:山本淳一

*本記事は、グロテスクな表現を含んでいます

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私の人生で最も怖い噂話といえば、『口裂け女』です。
噂が立ったと思ったら、それは瞬く間に広がりました。
確か、友達と一緒のときに母親にその話をした覚えがあります。
そうしたら、母と喋っていた近所の叔母さんが『そういう人(口が裂けている人)は本当にこの近所に住んでいるよ』って言ったのです。
それを聞いた私は、楳津漫画ばりに『ぎゃっ!!』と声を上げたのでした。
今思えば、あの叔母ちゃんの軽はずみな発言が憎らしい……。

Ko3

さて、本作のストーリーを簡単に説明すると、民俗学を大学で学んでいる女子大生が友達を連れ立って山奥の寒村を訪れます。
なんでも、その村には縄文時代から続く秘祭があるそうで、その見学に来たのですね。
4名の女子大生グループは、無邪気に田舎の雰囲気を楽しんでいますが、宿泊先の主人の態度がどことなく怪しい。
夜を迎え、一人眠れぬ愛理ちゃん。
何やら物音がして、様子を窺う。
すると、村人が集まって、物騒な相談をしているじゃありませんか!!
ヤバイよ、これッ!
そう思ったのも束の間、愛理ちゃんは村人に発見されます。

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一人逃げ出した愛理ちゃんは、村人の追跡を逃れるためにある建物に侵入。
そこには、異様な少女が幽閉されていた。
もしかして、この人が生神様!?
日中に聞いた村人の噂を思い返す愛理ちゃん。
鎖に繋がれた生神様の姿はあまりに痛々しく、不憫に思った愛理ちゃんはそれを外してしまう。
愛理ちゃんは、知らなかった。
生神の本当の姿を。
そして、この先に待ち受ける自分たちの運命を!!

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正直申し上げれば、手放しに面白い作品とは口が裂けても言えませんcoldsweats01
低予算バレバレですし、設定にもユルい部分が多々見受けられます。
『口裂け女』の続編として期待した方などは、拳を振り上げて怒るかもしれませんね。
私的に一番気になった点は、村人たちの演技です。
わざとコミカルにしているのか、気負い過ぎているのか。
どちらにしろ、観客の期待する雰囲気にはマッチしていません。
それに、生神使いというキャラクターも嘘臭く、本来リアリティを出さねばいけない部分を自ら破壊してしまっています。

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しかしながら、私的には口裂け女のビジュアルは及第点であり、それを土俗的な設定に置いたアイデアも面白いと思います。
より多くの観客を獲得するための策であったのでしょうが、『口裂け女』と冠してしまったのは得策とはいえないかもしれません。

他にも、どうしても気になる点があります。
それは生神使いと呼ばれるキャラの登場。
設定やビジュアル、演技を含め、かなり興醒め。
暴走する生神を停めるアイデアは、他に幾らでもありそうなので、もうちょっと工夫が欲しかったですね。
そもそも、神が人間に制御されるなんて、おかしいでしょ。

マイナス面を書き連ねましたが、嫌いな作品ではありません。
もう少しの工夫で雰囲気は上がりますし、怪物的キャラはウェルカム。
どちらかといえば、人間的な怖さを強調することがホラーの真髄と勘違いしている世間一般に対し、ファンタジックな化物ホラーのジャンルを確立できる土壌が必要だと思っています。
そういう意味で、本作のような作品が増えてくれることを期待します。

最後に、本作のラストに触れます。
これは、なかなか考えたなあという印象。
ある程度の余韻も残しています。
私的には、もっと悲愴にした方が好印象でしたが……。
ちょっと整合性に欠ける部分などもありますが、和製ホラーとしては努力している方ではないでしょうか。

Ko7

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2013年5月20日 (月)

本日の映画 『ハウス・オブ・ブラッド』

 『ハウス・オブ・ブラッド』
2006年 ドイツ 監督:オラフ・イッテンバッハ

*本記事は、残酷な描写が含まれています。

Hob1

鬼才と謳われるオラフ・イッテンバッハ監督。
一般の方が鑑賞すれば、それはドイヒーな作品に思えるかもしれません。
しかし、彼の作品を見比べてみると、その作風も変化しております。
本作は『バーニング・ムーン』と比べると、かなり丸くなったような気がします。
残酷描写は健在ですが、一般的なホラーに近い仕上がり。
それが良いか悪いかは好みの問題ですが、監督なりに工夫しているが解りますね。

Hob3

医師ダグラスは、交通事故に巻き込まれる。
相手の車は刑務所の護送車で、逃亡した囚人たちはダグラスを拉致。
怪我した仲間の手当てをさせるため、森の中の一軒家を訪れる。

Hob4


家の中に居た家族を銃で脅し、ダグラスに怪我人の手術を迫る囚人たち。
アリスという娘を助手に、ダグラスは手術を始めたが、どうも様子がおかしい。
血臭に誘われたかのように、家族に異変が!!
状況が理解できないまま、凄惨な現場に巻き込まれるダグラス。
アリスの手引きによって、どうにかその場を脱出した彼だったが、運命の車輪は再び回る。
はたして、ダグラスの運命はいかに。

Hob7

本作の感想を読むと、『大したことない』という意見がみられます。
しかし、『バーニング・ムーン』を観たことがあるホラー・マニアは、どう思うでしょうか?
私的には、エネルギー丸出しで作品を撮っていた監督が、一般にも耐えうる作品を撮るようになったという感慨を持ちました。
ゴアは健在ですが、私の好きなチープ・グロのレベル。
化物も出てきますし、相変わらず宗教っぽさも残しています。
ダグラス医師も特徴的で、特に不満はありませんね。

Hob8

毒気がいくらか薄らいでいるので、手放しに良作とは言いません。
ですが、私的には結構楽しめる作品でした。

Hob10

マニアのポイントとして、劇中のアリスを演じた女優さんに目を向けましょう。
彼女の名前は、MARTINA ITTENBACH。
監督の娘かと思ったら、奥さんだそうです。
彼女、日本版の出ていない他のオラフ監督作(『NO REASON』『GARDEN OF LOVE』など)にも出演しているみたいです。

劇中のマリアさん、ラストがとても印象的ですが、それに絡む囚人を演じるのがなんとオラフ監督!
この遊び心に気づくか気付かないかで、作品の評価も変わるのでは!?

Hob6

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2013年5月12日 (日)

本日の映画 『デッド・メアリー 鮮血浴』

『デッド・メアリー 鮮血浴』
2006年 アメリカ 監督:ロバート・ウィルソン

*本記事は、グロテスクな表現を含んでいます

Dm1

アメリカのホラー映画でたまに見かけますが、『ブラッディ・メアリー』という、日本で近いものは『こっくりさん』的遊びがあります。
本作は、その変化球版として製作された意図が、作品内に残されています。
『ブラッディ~』は、お子様がやること。
大人は『デッド・メアリー』で更なる恐怖を……?

Dm2

週末を利用して、湖のほとりに位置するロッジに集うミドル・エイジたち。
同窓会のノリで、楽しむはずだった。
しかし、カップルだったキムとマットは、別れた直後の険悪ムード。
仲間たちもそれを察し、楽しいはずの時間はシラケ状態になってしまった。

退屈しのぎに始めた遊び、『デッド・メアリー』。
鏡のある部屋に蝋燭を持って入り、デッド・メアリーと3回唱える。
すると、死んだ魔女の霊が現れるという。
三人がそれを試したが、とくに変化は見られない。
それ以上、場は盛り上がらず、みな早々に就寝。

Dm5

静寂を破ったのは、女性の悲鳴だった。
皆が駆けつけてみれば、マットが外で死んでいるという。
事実を確かめるべく、マットを探す仲間たち。
見つけてみると、さらに恐ろしい事実が待っていた。
これは、デッド・メアリーの呪いなのか?
次第に自分以外誰も信じられない状況に陥り、かつての仲間は疑惑の対象と化していく……。

Dm3

登場人物は、おそらく30歳前後。
学生よりも年齢を上げることで、大人の作品に仕上げようとしています。
実はジャケや邦題から予測される血飛沫系ではありません。
デッド・メアリーに憑かれたのは誰か?
犯人探し的な要素がメインを担い、霊に大人の事情を暴露されて、壊れていく絆などが盛り込まれています。
このあたりはリアリティがありますし、霊に憑かれた役者さんの演技なども注目ポイントです。
しかし、いわゆる視覚的描写は控え目(おそろく作品の意図を重視したためと思われる)で、邦題に惹かれた人などはギャップを感じるでしょう。

ヒロインは、ドミニク・スウェイン。
私は未鑑賞ですが、あの『ロリータ』に出演しているらしいです。

Dm4_2

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2013年5月 4日 (土)

本日の映画 『パラサイト・クイーン』

『パラサイト・クイーン』
2009年 アメリカ 監督:ガブリエル・コーワン

*本記事は、グロテスクな表現を含みます

Pq2

題名を見ると、ティーンズ向け学園系ホラーかと勘違いします。
そう、スピーシーズXXシリーズに入ってもおかしくないですね。
ところが、本作は意外にSFチックな、正当派に近い内容でした。
ジャケのイメージとは、全く違います。

Pq4

ニューイングランド・カティハンク島。
ジェイミーは、義理の弟・ジャスティンや恋人らとともに再びその地に戻ってきた。
母の遺産を引き継ぎ、自分の借金を返すためだった。
しかし、事は思惑どおりに運ばなかった。
思った金額で土地が売れず、途方に暮れるジェイミー。

Pq1
なんか、顔を這っておるよ~

その地は、特殊な事情が隠されていた。
ジェイミーの祖父・メイソン博士によって、極秘の実験が行われていたからだ。
表向きの研究は真珠の養殖を促進するためだったが、実は人類の進化に関わる実験が行われていたのだった。
そして、事故は起こった。
過去の大惨事として、それは島の歴史に刻まれていた。
そして再び、悪魔の遺産は息を吹き返そうとしていたのだった。

Pq6

原題は『GROWTH』。
邦題からも分かりますが、ニョロニョロ系の寄生虫系です。
人間に寄生すると、人間の能力を最大限に引き出します。
これによって、ひ弱な人間でも腕力はグーンとアップ。
ただし、副作用もしっかりとあって、制御不能となると厄介な存在になります。

Pq8

ティーンズ向けのおバカ映画かと思ったら、意外と真面目。
若干CG甘めですが、気色悪さは描けています。

感心したのは、ある人物が感染し、ジェイミーに置いていかれるシーン。
困惑と怒り。
それが見事に描かれていて、哀愁を誘います。
役者さんと監督の相乗効果でしょうか。
ちょっとシミジミ。

Pq5

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