『キャッスル・フリーク』
1995年 アメリカ 監督:スチュアート・ゴードン 95分
この作品は、初見がレンタル・ビデオ時代でした。
ジャケットに出ているモンスター造形に惹かれ、期待に胸を膨らませた覚えがあります。
しかし、当時はひどく退屈な作品に思えました。
さて、今回の感想は……?

舞台はイタリア・ローマ近郊。
古城に住まう老婆は、地下に幽閉したフリークに食事を与えながらも、虐待を繰り返していた。
しかし、その老婆の寿命も尽きることに。
老婆の死によって、城を相続することになったジョンとその妻スーザン、盲目の娘レベッカは、アメリカより移住してくる。
一見、普通の家族のようだが、ジョンとスーザンの間には深い溝が。
家族はジョンの不注意で息子ジェイジェイを失い、レベッカの眼は重い後遺障害が残されていたのだった。
新天地で、家族の絆を取り戻そうと努力するジョン。
しかし、スーザンの心は、なかなか戻らない。

そのような中、ふとしたことから地下に幽閉されていたフリークに脱出の機会が!!
食事も与えられず、衰弱して瀕死状態だったが、迷い込んだ猫を喰ってパワー復活。
自らの指を食いちぎり、手錠を外して牢獄を抜け出した。
彼の行く手には、ジョン一家の姿が……。

最大のウリは、フリークの造形でしょう。
醜さ、不気味さにインパクトがあり、ホラーマニアなら必見の出来
賛否は、その演出方法にあるかもしれません。
一言でいえば、サカりがついているんです。
永い年月、地下牢に幽閉されているのに、やることは夜這い。
娼婦など、エロ行為を迫られ、挙句の果てに胸まで食いちぎられて、ズタボロに。
この役、最悪ですね~。キスまでされちゃうんですよ、このフリークに!!
何年歯を磨いていないんだっちゅう恐怖が、こみあげてきます。


昔は、これをクダラないと思ったのですね~。あっ、今でもか……。
ストレートな終わり方も、インパクト薄。
何より、期待の怪物がエロだったとは!
おまけに、怪物は基本全裸なんです。途中、シーツ纏って、隠しましたけれど。
クライマックスで、雷光によって浮かび上がる彼の全身像。
ウォーなんて雄叫び上げるも、局部にはボカシのワンポイントが。
これが興醒めでしたねえ。
ボカシの入った怪物なんぞ、チャーシューの入っていないラーメンだ、って誰か言ってませんでしたっけ?

でも、私も成長しましたよ。
表面のエロ&ボカシというファインダー越しに、新たな魅力を感じました。
実は本作は、亡くなった息子と怪物の正体をかけて、余韻を残す努力をしているのです。
これは、ラストの場面にもしっかり繋がりますし。
そして、本作の監督がスチュアート・ゴードン。主演ジェフリー・コムズ。その妻にバーバラ・クランプトンというメンバー。
そう、『死霊のしたたり』一作目のメンバーですね。
さらに本作のエンドロール、スペシャル・サンクスにH.P.ラヴクラフトの名が
原作とまではいかなくとも、彼の小説からインスパイアされたのでしょう。
そう思うと、不思議とありがたさが増してきます。
とにもかくにも、インパクトだけはしっかり後世に残る作品です。